≫奈良県立図書情報館メールマガジン≪ 「Lib Info NARA −奈良県立図書情報館通信」 2010.1.15 No.110 *1月の休館日について  毎週月曜日。なお、29日(金)は月末休館になります。 ☆メールマガジン読者の皆様に、簡単なアンケート調査を実施しています。  まだ回答いただいてない方は、是非ご協力をお願いいたします。  アンケートはこちらから   →https://www2.library.pref.nara.jp/mlq/mlq.html ■==■目 次■==■ 《トピックス》1月後半のイベント 館長連載「図書情報の文化史」 図書情報館からのお知らせ 図書館員の気になる一冊 図書情報館−職員だより 編集後記 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 《トピックス》1月後半のイベント■ ◇1月23日(土) 13:00〜16:00 1階 交流ホール 図書館劇場4『平城京をめぐる宮都マンダラ』第5幕 「保良宮(ほらのみや)と由義宮(ゆげのみや)ー平城京衰退の予兆」  申込み受付中です。 ◇1月19日(火)、26日(火)   13:00〜17:00  2階 メインエントランスホール 仕事無料相談会 事前申込み不要、無料。直接会場にお越し下さい。 ★イベント申込みのページはこちら http://www.library.pref.nara.jp/event/event_moushikomi.html ■館長連載「図書情報の文化史」素描編■ 第110回 『更級日記』―文芸の風景と実景―(2)                           館長 千田 稔 『伊勢物語』では、旅の一行が武蔵国にやっと到着したところから、「すみだ 河」の描写がはじまる。大きな川のほとりで、限りなく遠いところまでやって きたと、心細く思っていたが、渡守から日も暮れてきたから早く舟に乗れとせ きたてられ、舟には乗ったものの、京にいる恋しい人のことを思っていると、 京では、みられない鳥が飛んで渡守にその名をたずねると「宮こ鳥」というと 教えられた。それを聞いて「名にし負はばいざ事問はむ宮こ鳥わが思ふ人はあ りやなしや」とよむと、舟の上のものは、みな泣いたという。『古今和歌集』 「羇旅歌」にも収める歌である。  さて『更級日記』の著者は、京への旅がはじまって、まもなく、すみだ川に 達するので、『伊勢物語』のように、遠路はるばるやってきたという感慨はな い。次のように記している。  「野山蘆荻(あしおぎ)の中を分くるよりほかのことなくて、武蔵と相模と の中にゐて、あすだ川といふ。在五中将(ざいごちゅうじょう)の「いざ言問 はむ」と詠みける渡りなり。中将の集にはすみだ川とあり。」 すみだ川のことをあすだ川とも称したようだが、武蔵と相模の中とあるのは、 誤りで、下総と武蔵の中であろう。それはともかく、『更級日記』の著者には 、歌枕としてのすみだ川に対する強い思いがない。もちろん、日記の叙述が、 京に上って久しい時間が流れた後になされたことも念頭に入れねばならないが 、それにしてもすみだ川は、そっけなく、扱われている。歌枕と実景の落差と はこういうものだろうか。                      ( つづく) ■図書情報館からのお知らせ■ ☆申込み受付中 □図書館劇場4『平城京をめぐる宮都マンダラ』第5幕「保良宮(ほらのみや )と由義宮(ゆげのみや)−平城京衰退の予兆」を1月23日(土)に1階交 流ホールにて開催します。 参加申込み受付中です。参加料(資料代)1名500円 ※当日受付にてお支払い下さい。 詳細については  http://www.library.pref.nara.jp/event/librarytheater_2009.html をご覧下さい。 ○申込み方法 往復はがき、FAX(0742-34-2777)、メール(koen@library.pref.nara.jp) 当館のホームページ「申込みフォーム」、電話(0742-34-2111)、 来館(2F貸出・返却カウンターにて受付いたします)。 1.郵便番号、住所 2.お名前(ふりがな) 3.電話番号、FAX番号 「図書館劇場4第5幕参加希望」とご記入の上、お申込み下さい。 ※1通につき、2名までのお申込みです。(2名参加の場合は「2名参加」と 明記下さい。) FAXでのお申込みの場合は、必ずFAX番号もお書き下さい。 往復はがきでお申込みの場合は、返信にも送付先の郵便番号、住所、氏名を必 ず記入して下さい。 □「鹿乃芸亭(しかのうんてい)」第5回 奈良市出身の落語家桂文鹿(ぶんろく)さん他を迎えて開催します。  3月20日(土)13:30〜(受付・開場12:30)  1階交流ホールにて開催します。参加料1名1,000円   参加申込み受付中です。 ★ホームページ「申込みフォーム」はこちらから http://www.library.pref.nara.jp/event/event_moushikomi.html ☆企画展示 (2階メインエントランスホール) □「癒し空間探訪 原画と宿スケッチ展」を開催しています。 ?24日(日)まで。 16日(土)、17日(日)、23日(土)、24日(日)の13時〜17時 は 作者の坂田武嗣さんが在館しています。 同日は、ポストカードと卓上カレンダーの販売があります。 □「男も家事いっぱいパネル展」を開催します。    19日(火)から24日(日)まで。 主催:奈良県男女協働参画課 □図書情報館ITサポーターズ紹介展「みんなで創る奈良マップ」を開催します 。  ITサポーターズ製作の、いろいろな奈良マップコンテンツを紹介。 26日(火)から31日(日)まで。     □古都奈良から宇宙へ〜未来・夢・希望〜パネル展を開催しています 。       主催:(財)日本宇宙少年団(YAC)大和まほろば分団   ☆図書展示 (3階ブリッジ) □図書展示「世界を旅する本 −発見と出会いの一冊−」を開催しています。   2月7日(日)まで。 (3階レファレンスカウンター横) □図書展示「遷都1300年を振り返り、日本と東アジアの未来を構想する 〜弥勒プロジェクトの担い手たち」を開催しています。   31日(日)まで。 (2階情報資料スペース) □図書展示「仕事・働き方を考える200冊」を開催します。 31日(日)まで。 (3階ヤングアダルトコーナー) □図書展示「Let’s Enjoy Y.A. (ヤングアダルト) Books!」を開催していま す。 ☆ビジネス支援(セミナー、相談会等) □経営無料相談会を2月13日(土) 13:30〜16:30に3階グループ研修室で開催します。 事前申込み優先、無料です。 お問合せ・申込み先 地域力連携拠点 奈良商工会議所(担当:松本・西川) TEL 0742-26-6222(代表) □仕事無料相談会を1月19日(火)、1月26日(火) 13:00〜17:00に2階エントランスホールで開催します。 39才以下の若者やその家族等が対象です。 事前申込み不要、無料です。 お問合せ先 奈良県経営者協会 TEL 0742−20−2210  ―――――――――――――――――――――――――― ●図書情報館イベントの詳細は、ココ!!● 「奈良県立図書情報館イベント情報ブログ」 http://eventinformation.blog116.fc2.com/ をご覧下さい。 ―――――――――――――――――――――――――― ☆3階戦争体験文庫 □企画展「戦争と食べもの4」を開催しています。     平成21年度の戦争体験文庫企画展示は、「戦争と食べもの」というテ ーマを設け、太平洋戦争期の食べものについて紹介しています。本年度4回目 の本展示は「代用食」と題し、戦時中の代用食の作り方に関する資料、家庭用 酒通帳など代用食の配給に関する資料、「コーンミールのおいしい食べ方を御 存知ですか」など戦後の代用食に関する資料などを取り上げておりますので、 ご覧下さい。  3月30日(火)まで。 詳しくは、     http://www.library.pref.nara.jp/sentai/kikaku.html     をご覧下さい。 ☆図書情報館ITサポーターズによる「ITサポートデイ」、 開催日時等詳しくは、    http://www.library.pref.nara.jp/supporter/index.html    をご覧下さい。   ☆新着図書情報    月に1度更新します。下記ページをご覧下さい。    http://www.library.pref.nara.jp/search/newarrival/index.html ☆館の有料施設の予約を受付けています。詳細は、県立図書情報館ホームペー ジの有料施設利用案内のページをご覧下さい。   http://www.library.pref.nara.jp/guide/use_guide01.html ■図書館員の気になる一冊(5)■ 『地震イツモノート』 地震イツモプロジェクト編著 木楽舎 2007  1995年1月17日未明に発生した阪神・淡路大震災。15年前に起こっ たこの震災が残した傷跡は、例え目に見えなくても、人々の生活や人生から消 えることはありません。  この本は、被災された方のアンケートをもとに編集された防災マニュアルで す。報道では知ることのできなかった、当事者の率直な気持ちや実際に役立っ たことなどが、シンプルな文章とちょっぴりユーモラスなイラストで書かれて います。 そしてタイトルにもあるように、防災活動を「イツモ」の生活に取り入れられ るような提案もされています。地域や学校の活動に防災を盛り込んだり、子ど もたちが楽しめるイベントにアレンジしたりと、日常で防災を活用する工夫が 紹介されています。 ご家族、ご近所さん、人が集まる場に話題のひとつとしていかがでしょうか。 なお、当館では防災月間である9月に関連図書の展示をしました。展示リスト がありますのでぜひご活用ください。 「防災の知恵と安全な家」展示資料リスト http://www.library.pref.nara.jp/event/booklist/disaster.html (かわむら じゅんこ) 過去の気になる一冊はこちらからご覧下さい。 http://www.library.pref.nara.jp/reference/kininaru.html     図書情報館−職員だより(91)■ ご存知ですか?戦後史を刻む『プランゲ文庫』資料 「太宰7作品検閲 GHQ、切腹場面・神話表現を削除」 生誕100年の昨年8月2日、『朝日新聞』紙上にこのような見出しの記事が掲載 されました。太宰が連合国軍最高司令官総指令部(GHQ/SCAP)の検閲で削除指 示を受けたのは、1945年から47年にかけて出版した『薄明』『新釈諸国噺』な ど4冊の中の7作品。米国と日本の2人の研究者が、米国メリーランド大学プラ ンゲ文庫の資料を調査し「削除」と記されたゲラを発見し分かりました。  太宰の作品では『パンドラの匣』も削除指示を受けていたとその後報道され ています。このように、GHQ/SCAPは占領政策の一環としてメディアの検閲を 行いました。占領当局に対する批判や反デモクラシーの言論など30項目の「制 限事項」を掲げ、新聞、雑誌、図書、放送、映画、演劇だけでなく、郵便、電 話、電信といった私的なメディアも対象としました。担当したのは、民間検閲 局(CCD)で、出版物は事前にゲラ等を提出し指示を受けなければなりませんで した。後に事後検閲に変わりますが、制度は1949年10月まで続きます。       検閲終了時、保管されていた資料の歴史的価値に注目したのが、GHQ/SCAP参 謀第2部歴史課にいたゴードンW.プランゲです。彼の働きかけにより、これ らの資料は自身が在籍するメリーランド大学へ移譲され、後にプランゲの名を 採り「ゴードンW.プランゲ文庫」と命名され、図書館で保存されることにな ります。 プランゲ文庫の占領期資料は、新聞18、047種、図書とパンフレット約71,000点 、雑誌13,799種、報道写真約10,000枚、ポスター90枚、地図約640枚にのぼり ます。なかでも雑誌は、同大学と日本の国立国会図書館との共同作業で1997年 に、また新聞は、いくつかの団体から助成を受け、1999年にマイクロ化が終了 し、国内でも見られるようになりました。 当館では、マイクロ資料のうち、「新聞コレクション〔マイクロフィルム版〕 」奈良県の部と「雑誌コレクション〔マイクロフィッシュ版〕」奈良県の部( 文生書院販売)を所蔵しています。 奈良県の部には、終戦直後県内で発行されていた新聞が132種、雑誌が86種収 録されています。この中には戦前から続いているものもありますが、大半が戦 後新たに誕生したと思われるもので、この時期がまさに「新興紙、地方紙の時 代」(山本武利氏)であったことをうかがわせます。収録新聞の種類も、地方 新聞、学校新聞、団体紙、組合機関紙、宗教紙、業界紙にミニコミ紙と多彩で す。雑誌についても同様で、大学研究誌、自治体発行誌、少年少女雑誌、女性 誌、宗教団体誌に文芸誌も見られます。 ゴードンW.プランゲの慧眼と働きかけによって後世に遺され、マイクロ化に より甦った資料群。これらの中には、当館や国立国会図書館で所蔵していなか った数多くの資料が含まれています。「新聞・雑誌コレクション」は、占領期 日本の社会状況を伝える貴重な資料群です。戦後史を語る資料の幅がより拡が ったと言えるでしょう。               なお、岩波書店で刊行中の『占領期雑誌資料大系』(当館所蔵)は、プラン ゲ文庫所蔵の雑誌記事を大衆文化編、文学編といったテーマにそって編成した 資料集で、読み物としても愉しめます。是非ご利用下さい。                 (もりかわ ひろゆき) 【関連サイト】 ●図書情報館所蔵の「プランゲ文庫新聞コレクション・雑誌コレクション」ht tp:// www.library.pref.nara.jp/search/prange.html   ●メリーランド大学マッケルディン図書館プランゲ文庫ホームページ http://www.lib.umd.edu/PRC/prangejapan.html ●20世紀メディア研究所 占領期メディアデータベース化プロジェクト委員会 占領期新聞・雑誌情報データベース : プランゲ文庫所蔵雑誌の記事〔196万 件〕が検索出来ます/新聞記事は、2009年3月末現在約50万件入力済   http://m20thdb.jp/public/gaiyou 編集後記■ 現在、メールマガジンでアンケートを実施しています。早々にご回答いただい た方、ご協力ありがとうございます。自由意見欄の回答の中に、とても有難い お礼のメッセージもあり、「いつも当館を愛用してくださっているのだなあ」 とてもうれしくなりました。この場を借りて、お礼を申し上げます。 利用者の方達が求めているものを提供できているか?を考えつつ、これからも 、従来の図書館にないチャレンジをしていきたいと思っています。 皆さまの率直なご意見を頂けたらと思っています。回答がまだの方は、是非ご 協力下さいますようお願いします。  さて、県立図書情報館メールマガジン「Lib Info NARA−奈良県 立図書情報館通信」第110号をご覧いただき、ありがとうございました。 次回第111号は、2月1日(月)に配信する予定です。 =================================== ◎このメールマガジンへのご感想、ご意見などは、下記メールアドレスまでお 願いします。 *原則として、返信はいたしませんので、あらかじめご了承ください。 ◎このメールマガジンは、「まぐまぐ」を利用して発行しています。  http://www.mag2.com/ 「新着情報版」「ウィークリーまぐまぐ」の配信  が不要な場合は、こちらで解除できます。 http://www.mag2.com/wmag/ ◎トラブル等の対処については、「読者 まぐまぐ! ヘルプ」のページをご覧 下 さい。 http://help.mag2.com/read/ 当マガジンの解除は、こちらへ。 http://www.library.pref.nara.jp/netservice/mailmagazine.html =================================== 【 県庁各課等のメールマガジン 】 ◇ 読者登録をお願いします!◇ http://www.pref.nara.jp/dd_aspx_menuid-1324.htm ■□===========================■□ 発行:奈良県立図書情報館 〒630-8135 奈良市大安寺西1丁目1000番地 TEL 0742-34-2111(代表) FAX 0742-34-2777 http://www.library.pref.nara.jp e-mail info@library.pref.nara.jp ■□===========================■□