≫奈良県立図書情報館メールマガジン≪ 「Lib Info NARA −奈良県立図書情報館通信」 H19.9.15  No.054 *9月の休館日について  毎週月曜日。ただし、17日と24日の月曜日は開館しています。18日と 25日の火曜日が休館となります。 また、28日(金)は月末休館日です。30日(日)は開館しています。 ■==■目 次■==■ ◆ 巻頭言 図書情報館トピックス 情報BOX これも図書情報館 図書情報館−職員独り言 連載「図書情報の文化史」 編集後記 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― ■巻頭言■ 書物の「かたち」 司書監 富山久代  中華幻想譚、とでも名づけるべきか、設定の基本部分を中国古代社会にとっ た一群の小説や漫画がある。舞台は実際の中国史とは隔絶した架空の世界なの だが、その社会組織や風俗のありようは古代中国の各時代、各地方が混じり合 い、そこに、これも中国の神話や伝説に想を得たとおぼしい幻想的な人物や生 物を配することで、現代の日本人である我々にとってはきわめてエキゾチック な異世界を現出させている。こういった作品はアニメ化もされ、私もひそかな ファンの一人なのだが、特にアニメ作品を見ているとき、ひとつだけ違和感を ぬぐえないところがある。これらの作品の中に出てくる書物が、実は違和感の 元なのだ。  近代以前の中国をはじめとする東アジアの書物の装丁は、「線装本」といわ れるものが最も多く、現代の我々が日常的に目にする書物とは、その姿が異な っている。紙を二つ折りにし、それを揃えて糸で綴じ、柔らかい紙の表紙をつ けたもので、背表紙というものがない。「線装本」は、1冊1冊が薄く、柔らか いものなので、書架に平置きするのが普通で、硬い表紙のついた現代の図書の ように、背表紙を見せて並べるものではない。  しかし、アニメに出てくる書物は、どうやらほとんどがハードカバーの書物 で、綴じは線装本らしく表紙にかがり糸が出ているのだが、背表紙が付いてい て、書架に背表紙を見せて並べられているのだ。これを見るたびに、違う、違 う、と図書館員である私はつぶやくのである。  図書情報館では、今年6月からNPO法人書物の歴史と保存・修復に関する 研究会との協働事業として、「図書修理マイスター養成入門講座」という事業 を行っており、この講座の中では、伝統的な「線装本」の構造や綴じ方も習得 できるようになっている。こういう機会を通して、東洋と西洋の書物の「かた ち」の違いを知り、図書館の書庫の中に普段目にすることのない姿をした書物 が、多く蔵されていることを知ってほしい。  参考:「はじめての和装本」府川次男著 文化出版局 022.8−フカワ     「書林の眺望」 井上進著 平凡社 020.22−イノウ    「図説韓国の古書」 安春根著 日本エディタースクール出版部  020.22−アンチ ■図書情報館トピックス■ #図書館劇場U第3幕申し込み受付中  お申し込みなど詳細は、   http://www.library.pref.nara.jp/event/librarytheater.html  をご覧ください。 #企画展示(2階メインエントランスホール) □「松田大児−スローアートの軌跡」展を開催しています。 17日(月)まで。  詳しくは、   http://www.library.pref.nara.jp/event/exhibition_k.html#MATSUDA    をご覧ください。   □19日(水)より世界遺産登録三周年記念写真展「吉野山出開帳・役行 者霊蹟札所三十六寺社を巡る」を開催します。期間中、土曜日・日曜日(9/ 22、23、29、30)には、当館庭園にて山伏による法螺貝の奏上や、午 後2回にわたり、先着10名様に山伏による展示解説なども行う予定です。 #図書展示(3階ブリッジ)   □図書展示「図書情報館で読む江戸時代の旅」を開催しています。 27日(木)まで。     http://www.library.pref.nara.jp/event/exhibition_b.html#EDO #図書情報館ITサポーターズによる「パソコン水曜倶楽部」  ITサポーターズが運営する利用者交流の場です。今月2回目は、19日で す。事前申し込みは不要です。 詳しくは、   http://www.library.pref.nara.jp/supporter/wedclub.html  をご覧ください。 #図書情報館ITサポーターズによる「ウィークエンド倶楽部」 毎月第2土曜日、第4日曜日に、セミナールームで開催するITサポーターズ が運営する利用者交流の場です。水曜倶楽部同様事前申し込みは不要です。  今月2回目は、23日(日)です。 詳しくは、   http://www.library.pref.nara.jp/supporter/wedclub.html  をご覧ください。 #戦争体験文庫資料展示「軍隊と地域4 奈良の戦争遺跡−奈良聯隊/奈良海 軍航空隊ほか−」開催中。27日(木)まで。3階戦争体験文庫で。  詳しくは、 http://www.library.pref.nara.jp/event/exhibition_b.html#W_2007_03 をご覧ください。 #奈良商工会議所と共催で、『経営無料相談会』を開催しています。  来年3月まで、毎月第1、第4土曜日の13:30〜16:00に3階グル ープ研修室で行います。今月2回目は、22日です。事前申し込み優先。  詳しくは、   http://www.library.pref.nara.jp/event/koen.html#BUSINESSPLAN  をご覧ください。 ■情報BOX■ ○新着図書情報  月に1度更新します。下記ページをご覧ください。  http://www.library.pref.nara.jp/search/newarrival/index.html ○下記資料の一覧をホームページでご覧いただけます。ご利用ください。  オンラインデータベース/CD-ROM   http://www.library.pref.nara.jp/search/onlinedb.html  所蔵新聞等   http://www.library.pref.nara.jp/search/shinbun.html  所蔵の国土地理院地形図   http://www.library.pref.nara.jp/search/mapsearch.html ○ホームページのビジネス支援のページ「B−SIDE」、皆さんのビジネス や調査にお役立てください。また、ご意見、ご感想をお寄せください。   http://www.library.pref.nara.jp/biz/index.html ○館の有料施設の予約を受付けています。詳細は、県立図書情報館ホームペー ジの有料施設利用案内のページをご覧ください。 http://www.library.pref.nara.jp/guide/use_guide01.html セミナールーム及び交流ホールについては、県・市町村共同運営による施設予 約システムからインターネットにより予約することもできます。インターネッ トで予約を行うには事前の利用者登録が必要です。詳しくは施設予約システム の利用案内をご覧下さい。 https://e-kotonara.jp/portal/jsp/index.jsp ■これも図書情報館(36)■ −ふるさと資料の寄贈資料について− 昨年(平成18年度)に受け入れたふるさと資料(奈良県関係資料)は1,29 3冊あります。内訳は購入が352冊、寄贈が941冊です。ふるさと資料全体の7割 強を占めているのが寄贈資料であるということが、ふるさと資料の特徴の一つ になっています。寄贈資料はふるさとコーナーの蔵書の主要な部分を構成して いるといえます。 これらの寄贈資料の寄贈先は多岐にわたっています。官公庁や各自治体をはじ め各種団体、企業、機関、学会・協会、研究会など、また個人からの寄贈も多 く寄せられています。  寄贈資料の大部分は一般の流通経路に載らないものが多く、出版情報もなか なか把握しにくのが現状です。当館の収集方針では「奈良県における地域研究 支援の中心施設であることを強く意識し」て、「網羅的な資料収集に努める」 と明記されています。また資料選定基準においても「奈良県に関する発行物、 奈良県で発行された資料は、あらゆる分野にわたって網羅的に選定し収集する 」となっています。 日常の業務においても、新聞や雑誌などの新刊案内や新刊情報誌による新刊情 報の収集を行って、こまめに寄贈依頼をしたり、収集会議にかけて購入の手配 をして、ふるさと資料の網羅的な収集に努めていますが、これを完璧に行うの は至難の業です。場合によっては、利用者の方から関係資料や新刊の紹介をい ただいて、収集の参考にさせていただく場合もあります。この情報はとても大 切で、収集からもれている部分を補完することに有効なものとなっています。 今後も、メルマガの読者の方々で身近に奈良県関係の新刊情報を入手された場 合は是非ご連絡いただきたいと思っています。利用者や関係者の方々のご協力 を得ながら、ふるさと資料の充実を図っていきたいと思っています。                           (すずき はるお) ■図書情報館−職員独り言(36)■ ここ数年野球場に足を運んで見るという機会がなかったが、先日東京ドームで 観戦する機会に恵まれた。ドーム内の盛り上がり方は、テレビ見ている時とは 大違い。ホームチームの選手が打席に入るときは、その選手ごとのテーマ曲が 場内響き渡るように流されオーロラビジョンには選手のアップが映し出される のに対し、相手チームの時は淡々と選手名がアナウンスされるだけである。ホ ームチームとビジターチームの取扱いに歴然とした差があることが、実際に球 場へ行ってはじめてわかった。  試合は延長戦までもつれる好試合で、観客が一体となってそれぞれのチーム を応援する感覚は、現場でないと体験できないものであった。3時間を超える 試合だったが楽しい時間を過ごせた。また、来てみたいと思わせる良い試合で 、毎日のように球場へ行っている人の気持ちがわかったような気がする。  図書情報館でも、毎日のように利用いただいている方が多くいらっしゃいま す。まだ、来館いただいてない方も実際に当館にお越しいただき、館の雰囲気 を味わってください。9月22日には図書館劇場2第3幕を、11月には開館 2周年を記念したイベントも予定しております。                          (いなもと しょうじ ) ■連載「図書情報の文化史」素描編■ 第54回 『三教指帰』(4)                            館長 千田 稔 空海の若いころの修行としてしられている「虚空蔵聞持(こくうぞうもんじ) の法」にふれている。「虚空蔵聞持法」とは、虚空蔵菩薩の説く記憶力増進の 秘訣であるが、今日の受験生などは、是非とも会得したいと思うであろうが、 そんなに容易にできることではないらしい。虚空蔵菩薩とは虚空(現在の言葉 に翻訳すると空間にあたるが、そこではいっさいのものが自由に存在し運動す る)のように無量の智慧や功徳を蔵する菩薩。その秘訣を説いている経典は『 虚空蔵菩薩能満諸願最勝心陀羅尼求聞持法』という。長い名前で難解な言葉が 連なっている。「陀羅尼」とあるから、呪文によって実行する方法である。空 海は一人の僧侶に出会って、その秘法を教えられる。念のために、その陀羅尼 を記しておく。 「ナウボウ・アキャシャ・ギャラバヤ・オムアリキャ・マリボリ・ソワカ」。 これを百万遍唱えれば、即座にあらゆる経典の教えや意味を理解し、暗記でき るという。  そこで、空海は、阿波の国の大滝岳にのぼり、土佐の国の室戸岬で修行した 。一心不乱の修行のかいがあって、虚空蔵菩薩の応化である明星が、大空に姿 を見せたのである。(つづく) ♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪ 【 県庁各課等のメールマガジン 】 ◇ 読者登録をお願いします!◇ ♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪ 読者登録はこちらから! http://www.pref.nara.jp/c_etc/mailmag.html ★「大仏さんのつぶより情報」 (広報広聴課) ★「まほろば*地域づくり情報」(交流政策課) ★「ボランティア情報誌Vio」(県民生活課) ★「健康21ファンクラブ通信」(健康増進課) ★「情報発見メルマガ編」   (中小企業支援センター) ★「E−夢 はっしん!」  (教育委員会) ★「代官山で愛ましょう!」  (奈良県代官山iスタジオ) ★「ならの農業と園芸」    (県農業総合センター) ★「子育てメールなら」    (県子育て家庭サポートセンター) ★「メルマガ・スマイル」   (県母子・スマイルセンター) ★「ワーク・ならネット」   (雇用労政課) ■編集後記■ 朝夕はほんとに涼しくなりました。季節の変わり目なのですが、その境界が見 えない。気が付くと、すっかり変わってしまっている。それほど、われわれは 自然に接しながら、実は何も見ていない、感じていないのかもしれません。そ ういえば、空を眺めることも忘れてしまっていることに、ふと気づく今日この 頃です。 県立図書情報館メールマガジン「Lib Info NARA−奈良県立図書情 報館通信」第54号をご覧いただき、ありがとうございました。次回第55号 は、10月1日(月)に配信する予定です。皆様、ご愛読、よろしくお願いい たします。 =================================== ◎このメールマガジンへのご感想、ご意見などは、下記メールアドレスまでお 願いします。 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