≫奈良県立図書情報館メールマガジン≪ 「Lib Info NARA −奈良県立図書情報館通信」 H19.4.15  No.044 *4月の休館日について  毎週月曜日。27日(金)は月末休館日で、30日(月)は開館しています 。 ■==■目 次■==■ ◆ 巻頭言 図書情報館トピックス 情報BOX これも図書情報館 図書情報館−職員独り言 連載「図書情報の文化史」 編集後記 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― ■巻頭言■   最近、出会ったことばから。   「古い町にあっていまの郊外のニュータウンにないものが3つある。1つは 大木、1つは宗教施設、いま1つは場末だ。この3つには共通するものがある。 世界が口を空けている場だということだ。・・・京都という街には、こうした 世界が口を空けているところが、まだまだたっぷりある。」 (『京都の平熱 哲学者の都市案内』鷲田清一)   奈良ですが、1つ目、2つ目はともかく、3つ目の場末はどうでしょうか 。その痕跡はありそうですが。そんな目で改めて町を眺めると、奈良の別の風 景が見えるような気がします。 そういえば、以前、何気なく入った、奈良阪にある奈良豆比古神社の裏手に、 くすのきの巨樹があり、その巨大さとロケーションとのギャップ(周辺は住宅 地ですが、そこだけ窪んだすり鉢状になっていて、その真ん中に聳えているわ けです。)に、なんだか異界への入り口のような畏怖感をおぼえたことがあり ました。   「三百年の江戸の太平が都市部に暮らす長屋の住人にもたらした新しいラ イフスタイルは三ない主義といって、三つがない。」できるかぎリモノを持た ない、出世しない、悩まない。    現代のわれわれは、その三ないをすべて持とうとしています。 (『都市にとって自然とはなにか』杉浦日向子)   現代人の疲弊する精神と肉体に、滅びのにおいを感じるというわけです。 (いぬい そういちろう) ■図書情報館トピックス■ #イベント  □図書館劇場2『吉野絵巻』が始まります。今年度も奇数月の第4土曜日に 開催します。第1幕「飛鳥と吉野−吉野宮」は、5月26日(土)です。   今月20日より受付開始。詳細は、    http://www.library.pref.nara.jp/event/librarytheater.html   をご覧ください。   ※開催時間を13:00〜16:00に変更します。ご注意ください。 #企画展示(2階メインエントランスホール)   □今月29日(日)、30日(月)に平城宮跡で開催される「遷都祭」の PR展示「都の息吹が、五感に響く。遷都祭」を開催しています。本日まで。   詳しくは、    http://www.library.pref.nara.jp/event/exhibition_k.html#SENTO   をご覧ください。  □17日(火)より「本をなおす、本を残す、もうひとつのエコ」展を開催 します。NPO法人書物の歴史と保存修復に関する研究会と共催。   30日(月)まで。   詳しくは、    http://www.library.pref.nara.jp/event/exhibition_k.html#ECO    をご覧ください。 #図書情報館ITサポーターズによる「パソコン水曜倶楽部」  ITサポーターズが運営する利用者交流の場です。毎月第1・第3水曜日の 13:30〜16:30、2階セミナールームで開催しています。事前申込み は不要です。5月は3日(木)開催です。今月第3水曜日は休みです。 詳細は、   http://www.library.pref.nara.jp/newlib/supporter/wedclub.html  をご覧ください。 #戦争体験文庫資料展示「軍隊と地域3村と軍隊2−勤労・増産・金属回収− 」  6月28日(木)まで。3階戦争体験文庫で。  詳しくは、http://www.library.pref.nara.jp/sentai/kikaku.html をご覧 ください。 ■情報BOX■ ○新着図書情報  月に1度更新します。下記ページをご覧ください。  http://www.library.pref.nara.jp/search/newarrival/index.html ○ホームページのビジネス支援のページ「B−SIDE」、皆さんのビジネス や調査にお役立てください。また、ご意見、ご感想をお寄せください。   http://www.library.pref.nara.jp/reference/biz/b-side.html ○館の有料施設の予約を受付けています。詳細は、県立図書情報館ホームペー ジの有料施設利用案内のページをご覧ください。 http://www.library.pref.nara.jp/guide/use_guide01.html セミナールーム及び交流ホールについては、県・市町村共同運営による施設予 約システムからインターネットにより予約することもできます。インターネッ トで予約を行うには事前の利用者登録が必要です。詳しくは施設予約システム の利用案内をご覧下さい。 https://e-kotonara.jp/portal/jsp/index.jsp ■これも図書情報館(26)■ 図書情報館の敷地南側には庭園が広がっています。 このスペースには約40種類もの樹木が植えられており、季節ごとに私たちの目 を楽しませてくれます。 ベンチに腰かけ東の方に目をやると、斜面には花をつけた樹木の色、芝生の緑 、青い空へとなだらかに色合いが連なります。 ゆるやかな勾配をもつこの敷地ならではの眺めが楽しめるこの場所は、調べも のの合間に休憩をしたり、お弁当を食べたりするのに絶好の場といえます。 さて、この庭園の樹木には各々の名前を記した樹木ラベルがついています。ラ ベルには和名に加え、学名、科名そしてその植物の特徴などが書かれています 。今庭園の斜面で細かな黄色の花をつけているのは、モクセイ科のレンギョウ です。レンギョウの間にはまだ背の低いネムノキ(マメ科)が植えられていま す。ネムノキは、辺りが暗くなると葉を閉じ、眠ったようにみえることからそ の名がついたそうです。 気候のよいこれからの時期、庭園を散策するのもよい気分転換になるかもしれ ません。 (とくやま さおり) ■図書情報館−職員独り言(26)■ 風に吹かれ、ひらひらと桜の花びらが舞い落ちています。 今年も、図書情報館の前を流れる佐保川を埋め尽くすように咲く桜の開花を待 ち望んでいた方も多かったのではないかと思います。 この佐保川沿い(船橋商店街〜大安寺周辺)3kmに及ぶ、桜並木のなかに「 川路桜(かわじざくら)」と命名された桜が今もわずかな本数残っています。 川路桜は、江戸時代末期の奈良奉行 川路聖謨(かわじとしあきら)が5年間 の在職中に植えた桜で、樹齢150年と言われています。 「サクラ」の名称の由来は、一説に「咲く」に複数を意味する「ら」を加え、 花の密生する植物全体を指したと言われていますが、川面に届かんばかりに枝 を伸ばした古木・川路桜には「春に里にやってくる稲(サ)の神が憑依する座 (クラ)」説がふさわしいと思います。 東大寺・興福寺をはじめ奈良町に植樹をすすめ、現在の奈良公園の基礎を築い た川路聖謨については、当館ふるさと資料『川路聖謨』江上照彦著、『川路聖 謨』川田貞夫著(人物叢書214)、『川路聖謨之生涯』川路寛堂編述(近代文 芸資料複刻叢書第8集)などで調べることが出来ます。  (うえだ としえ) ■連載「図書情報の文化史」素描編■ 第44回 『風土記』という地理情報(8) 館長 千田 稔 達意の文章をなした人物はだれか。『常陸国風土記』のような公的図書で、筆 録者が明記されていない場合、文体という情報から書き手を探しだすのは、難 しいが、興味深い作業でもある。秋本氏は、もともと書かれた文章に手を入れ て、文人趣味的な修辞表現をした人物を文飾者と称して、藤原宇合(うまかい )と高橋虫麻呂の名をあげている。  藤原宇合は、養老元年(717)に遣唐副使として入唐し、翌年の12月に 帰京した。そして、養老3年7月に常陸守となり、安房・上総・下総国を管轄 する按察使(あぜち)の職にもついた。『万葉集』に一首、『懐風藻』に数首 掲載されているので、学芸にあかるかったらしい。だから、宇合が常陸国の国 司として着任したときに、風土記の元の原稿を漢文的な美辞麗句をもって飾っ たことは、ありうる。  一方、高橋虫麻呂と『常陸国風土記』の関係であるが、『万葉集』に収めら れている虫麻呂の歌に、東国をよんだものがあり、常陸の風景もうたわれてい る。これらの歌は宇合が常陸守となったときに、虫麻呂が従い、よんだという 想定がある。このような仮定のもとに、秋本氏は、虫麻呂も『常陸国風土記』 に関わったと説く。『常陸国風土記』の文芸的表現は、他の風土記は異なるゆ えに、後世の人間を謎解きに導く。(つづく) ♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪ 【 県庁各課等のメールマガジン 】 ◇ 読者登録をお願いします!◇ ♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪ 読者登録はこちらから! 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