≫奈良県立図書情報館メールマガジン≪ 「Lib Info NARA −奈良県立図書情報館通信」 H19.3.1  No.041 *3月の休館日  毎週月曜日です。また、30日(金)は月末休館日で、31日(土)は開館 しています。 ■==■目 次■==■ ◆ 巻頭言 図書情報館トピックス 情報BOX これも図書情報館 図書情報館−職員独り言 連載「図書情報の文化史」 編集後記 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― ■巻頭言■  古都奈良に春を呼ぶと言われている東大寺二月堂のお水取りの本行が、今月 1日から15日まで続く。小生自身は、これまで4回参堂させていただいてい る。昨年も確か3月10日だったろうか。以前から、「一度、お水取りを観た い。」と再三、案内を催促していた大阪の友人と連れだって出かけたのである が、雨天に関わらず、大勢の人波で参道は埋め尽くされていた。お松明から火 の粉が落ちるたびに大きな歓声が上がり、シャッターが切られた。  よく「静と動、水と火のダイナミックな祭典」と形容されるお水取りである が、やはり何度観ても壮観である。10本のお松明が全て出尽くすと、人波は 次第に引いていった。が、幸いにも、練行衆らが行を執り行う内陣に入ること ができ、友人と共に夜9時半頃まで、荘厳な儀式を間近に拝観させていただい た。  確かに不思議な時空である。錬行衆の声明(しょうみょう)、鈴や法螺の音 。物凄く早いテンポでの過去帳の読み上げ。そして、静寂を突き破るように荒 々しく内陣を動き回る沓の音に満たされる。かと思えば、再び静寂が訪れる。 時の経過とともに、次第に神秘的な恍惚感に包まれていった。  「水取や 氷の僧の 沓の音」  俳聖 芭蕉が「野ざらし紀行」の旅でお水取りの行法に参堂した際に吟じた 一句であるが、今から320年以上も前に、芭蕉も同じ場所で、同じ恍惚感を 体験をしているのかと思うと、愉快な気分になったりもした。しかし、何より 修二会と呼ばれるこの行が、1250数年もの間、一度も欠かされることなく 連綿と続いてきたという事実を思うとき、歴史の継承の重みを再認識させられ た一日でもあった。  昨今、ご当地検定がブームである。本県においても、奈良商工会議所が、貴 重な観光資源をもつ奈良にふさわしい観光産業の活性化と、奈良の文化、歴史 、伝統の承継及び人材育成に寄与することを目的に、「奈良まほろばソムリエ 検定(通称:奈良検定)」が今年1月14日に実施された。  お水取りは、奈良の伝統行事としては別格だとしても、県内各地には、世界 に誇るべき立派な歴史・文化遺産が夜空のきら星の如く輝いている。  「もっと奈良のことを知りたい。郷土を知りたい。」当図書情報館は、そう した探求心やニーズに対して、十分お応え出来る施設であり続けなければなら ないと思っている次第である。 ※ 昨年2月1日(水)から3月19日に 『図書情報館で読む−お水取り』展を 開催しました。展示した図書リストについては、以下のサイトのとおりです。 お水取りにお出かけになる前に、一読されてはいかがでしょうか。 http://www.library.pref.nara.jp/event/booklist/omizutoribook.html (よしおか ふみお) ■図書情報館トピックス■ #イベント  □図書館劇場「名残の平城京」第6幕 千秋楽 3月24日(土)開催。   今年度最終回。第1部は、正倉院復元楽器演奏集団「天平楽府」の野外コ ンサート。特別ゲストは、宇陀郡御杖村を拠点に活躍されている、和太鼓奏者 の神奈川 馬匠さんです。第2部は、講演と朗読。申し込み受付中です。   詳しくは、    http://www.library.pref.nara.jp/event/librarytheater.html   をご覧ください。  □「平城遷都1300年 奈良・読書の旅」    読売新聞大阪本社との共催で、奈良にまつわる作品を著者と語る「平城 遷都1300年 奈良・読書の旅」第1回、申し込み受付中です。   詳しくは、    http://www.library.pref.nara.jp/event/koen.html#NARA_READING_01   をご覧ください。  □『蔵書検索講習会』を開催します。当館で書籍・資料をお探しの方のため に、図書情報館と(株)リコーが蔵書検索システムの講習会を開催します。 受講料無料・申込不要(定員30名先着)1日2回の開催です。   詳しくは、    http://www.library.pref.nara.jp/topics/limediolecture.html   をご覧ください。  □『創業・経営革新無料相談会』を下記のとおり開催しています。   この相談会は、これから起業をしようと考えておられる方や、事業者の方 で経営の向上に取り組むビジネスプラン(経営革新計画)を作成される方を対 象に、専門家(奈良商工会議所シニアアドバイザー)がアドバイスを行います 。   日 時 毎月第1・第4土曜日(平成18年12月〜平成19年3月)           3月3日、24日 13:30−16:00 会 場 3階グループ研修室 詳しくは、 http://www.library.pref.nara.jp/event/koen.html#BUSINESSPLAN    をご覧ください。 #企画展示   □企画展「西洋人の日本観T−日本に関する本のさまざま」を3月6日( 火)より3階ブリッジで開催します。なお、3月17日(土)14:00より 、共催しているOAGドイツ東洋文化研究協会会長ゲァハート・シェーパース さんによる記念講演会を開催します。講演会の参加申し込みをただいま受付中 です。     詳細は、      http://www.library.pref.nara.jp/event/koen.html#WESTERNER_01     をご覧ください。   □「日本とドイツの美しい本2005 「第40回記念造本装幀コンクール 」と「ドイツの最も美しい本2005」を3階ブリッジで開催しています。3 月4日(日)まで。     詳しくは、      http://www.library.pref.nara.jp/event/exhibition_k.html#GERM ANY     をご覧ください。   □「所得税から住民税への税源移譲に係る特別展」を2階メインエントラ ンスホール開催しています。3月15日(木)まで。詳しくは、      http://www.library.pref.nara.jp/event/exhibition_k.html#TAX     をご覧ください。     セミナールーム前で、図書展示「図書情報館で税を考える」も開催中 です。あわせてご覧ください。      http://www.library.pref.nara.jp/event/exhibition_b.html#TAX #図書情報館ITサポーターズによる「パソコン水曜倶楽部」  ITサポーターズが運営する利用者交流の場です。毎月第1・第3水曜日の 13:30〜16:30、2階セミナールームで開催しています。事前申込み は不要です。今月は、7日(水)、21日(水)に開催します。 詳細は、   http://www.library.pref.nara.jp/newlib/supporter/wedclub.html  をご覧ください。 #戦争体験文庫資料展示「軍隊と地域A 村と軍隊−村役場/在郷軍人会−」  本日より3月29日(木)まで。3階戦争体験文庫で。 ■情報BOX■ ○新着図書情報  月に1度更新します。下記ページをご覧ください。  http://www.library.pref.nara.jp/search/newarrival/index.html ○ホームページのビジネス支援のページ「B−SIDE」、皆さんのビジネス や調査にお役立てください。また、ご意見、ご感想をお寄せください。   http://www.library.pref.nara.jp/reference/biz/b-side.html ○館の有料施設の予約を受付けています。詳細は、県立図書情報館ホームペー ジの有料施設利用案内のページをご覧ください。 http://www.library.pref.nara.jp/guide/use_guide01.html セミナルーム及び交流ホールについては、県・市町村共同運営による施設予約 システムからインターネットにより予約することもできます。インターネット で予約を行うには事前の利用者登録が必要です。詳しくは施設予約システムの 利用案内をご覧下さい。 https://e-kotonara.jp/portal/jsp/index.jsp ■これも図書情報館(23)■     図書情報館の3階南側の閲覧席は、庭園を眺めながら本を読むのには、最高 の場所です。図書情報館の敷地は、もとは大池と呼ばれるため池であったため 、今も敷地の周りには堤防の名残がありますが、奈良時代には大型掘立柱建物 や井戸が造られていたことが発掘調査でわかりました。また、すぐ北側は藤原 仲麻呂の邸宅である田村第があったといわれています。3階のふるさとコーナ ーにある資料で、昔のことを調べてみるのも面白いでしょう。  もうすぐ暖かい春がやってきます。庭園にあるベンチでお弁当を食べ、庭園 の中を散歩するのもいいでしょう。建物の周りを1周してください。そうする と、建物の北西のあたりで発掘の説明プレートがご覧いただけます。 (いなもと しょうじ) ■図書情報館−職員独り言(23)■  先月24日に、働くことを考えるトークセッションを開催しました。内容そ のものも興味深かったのですが、「ことば」の力、ということについて、考え させられた1日でした。話されたものを聞くだけではなく、聞く側がそれに対 して何らかのことばで応える。そのやりとりのなかで、人がもつある種のエネ ルギーが喚起されたようです。深い想いがことばで表現されたとき、そのこと ばのもつエネルギーが人を動かす、ということに思いをいたしたところです。 そういえば、「ことばは浅く、想いは深く」とは堀口大學のことばだったと思 います(自信がありませんが)。その本当の意味を垣間見たような1日でした 。 (いぬい そういちろう) ■連載「図書情報の文化史」素描編■ 第41回 『風土記』という地理情報(5) 館長 千田 稔  『出雲国風土記』は、出雲国から律令政府に提出された地理情報であるが、 最も特色があるのは、巻末の防備組織の記述である。軍団、烽(とぶひ)、戌 (まもり)の位置を列挙している点である。  軍団とは、兵士からなる軍備組織である。1軍団の兵士の数は、養老軍防令 (養老律令の軍防令)によれば、1000人とあるが、実際には、600人、 400人からなる軍団もあった。風土記によれば、出雲には3軍団があった。  烽とは、煙や火でもって敵の襲撃を知らせるもので、原則として40里間隔 で設置された。出雲の場合、三カ所に烽がおかれた。戌は、辺境防備の兵士が 駐屯する場所で二カ所にあったという。  このように『出雲国風土記』にみられる軍団などの記載は、単なる地誌では なく、兵要地誌の役割をももたせたと解することができよう。当時の諸国の風 土記の全貌については、知りがたいので、断言はできないが、出雲国の位置が 日本海に面しているので、朝鮮半島に対する防備のために、詳細な軍団の位置 を記したのであろうか。  『出雲国風土記』の読み方は、上のような視点にとどまるのではなく、風土 記の神話と記紀神話の比較から、現地の物語と、中央のそれとの相違を見いだ し、その意味を考察することも、無視できない。(つづく) ♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪ 【 県庁各課等のメールマガジン 】 ◇ 読者登録をお願いします!◇ ♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪ 読者登録はこちらから! http://www.pref.nara.jp/c_etc/mailmag.html  ★「大仏さんのつぶより情報」 (広報広聴課) ★「まほろば*地域づくり情報」(交流政策課)  ★「ボランティア情報誌Vio」(県民生活課)  ★「健康21ファンクラブ通信」(健康増進課)  ★「情報発見メルマガ編」   (中小企業支援センター)  ★「E−夢 はっしん!」  (教育委員会)  ★「代官山で愛ましょう!」  (奈良県代官山iスタジオ)  ★「ならの農業と園芸」    (県農業総合センター)  ★「子育てメールなら」    (県子育て家庭サポートセンター)  ★「メルマガ・スマイル」   (県母子・スマイルセンター) ■編集後記■ 3月、春の訪れなんていうことばがむなしいくらいの暖冬です。今年はどうな っているのでしょう。早春賦(「春はなのみの風の寒さや・・・」という歌で す。)などうたう間もないという感じです。 さて、県立図書情報館メールマガジン「Lib Info NARA−奈良県立 図書情報館通信」第41号をご覧いただき、ありがとうございました。 次回第42号は、3月15日(木)に配信する予定です。皆様、ご愛読、よろ しくお願いいたします。 =================================== ◎このメールマガジンへのご感想、ご意見などは、下記メールアドレスまでお 願いします。 *原則として、返信はいたしませんので、あらかじめご了承ください。 ◎このメールマガジンは、「まぐまぐ」を利用して発行しています。  http://www.mag2.com/ 「新着情報版」「ウィークリーまぐまぐ」の配信  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