≫奈良県立図書情報館メールマガジン≪ 「Lib Info NARA −奈良県立図書情報館通信」 H18.11.1  No.033 おかげさまで、図書情報館は、11月3日に、開館1周年を迎えます。 *今月の休館日は、毎週月曜日および30日(木)です。 ■==■目 次■==■ 開館1周年を迎えて 図書情報館トピックス 情報BOX これも図書情報館 図書情報館−職員独り言 連載「図書情報の文化史」 編集後記 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 開館1周年を迎えて                           館 長 千田 稔  奈良県立図書情報館が昨年の11月1日に開館記念のテープカットをし、3 日から、皆さんにご利用いただくことになり、1年がたちました。  ご利用いただいた皆様に育てていただいたという感慨があります。いろいろ とご不満もあったでしょうが、それが慣れない私どもの活力となりました。館 外でお会いした方々から励ましのお言葉もいただきました。うれしかったです 。ありがとうございました。 「あっと言う間の1年」か、それとも「やっと1年」か、と自問します。  「あっと言う間の1年」。館員が一丸となって、新しい図書情報館のあり方 に腐心してまいりました。画期的な図書貸し出しシステム、パソコンなどの情 報機器などがずらりとならんだフロアー、広いエントランスホール。それらが 、十分に活用されるために、館員は気のぬけない毎日でした。さまざまな企画 展示も試みました。私は、陸上競技場のトラックをかなり速いスピードで1周 した思いがあります。 「やっと1年」。もし、多くの方々が、お越しいただかなかったら、あるいは 開館直後の来館者数の勢いが維持できなかったら、どのようにすべきか。館員 の心配は心の奥深くに漂っていました。でも、それも杞憂でした。連日150 0人前後の方々にご利用いただいているのですから、ありがたいことです。「 やっと1年」、当館は、快走するペースをつかむことができました。  「温もりのある図書情報館」を標榜してスタートを切りました。どうか、当 館が、ご利用いただける方々の心が通う広場となることを願ってやみません。 「奈良県立図書情報館でお会いしましょう」が私たちの合言葉。なつかしい人 に会う。あたらしい友人ができる。今後とも、お力添えをいただきますよう、 よろしくお願いします。 ■図書情報館トピックス■ #開館1周年記念トークセッション申込受付中!   コンピュータで禅体験! 自分のつくった山水画のなかを旅しながら、コ ンピュータと対話し、禅の世界を体験するゼネティック・コンピュータ。   「書を捨てよ、街に出よう」は昔の話? 書物でできた街に出てみたら新 たな知の旅がはじまる!   図書情報館では、開館1周年を記念し、編集工学研究所所長の松岡正剛氏 とメディアアーティストで京都大学特任教授の土佐尚子氏を迎え、両氏が中心 となって研究された「ゼネティック・コンピュータ(禅コンピュータ)」と現 在研究プロジェクトが進行中の「電子図書街」について、そのデモンストレー ションも交え、トークセッションを開催します。   引き続き、お申し込み受付中です。詳しくは、下記ページをご覧ください 。   http://www.library.pref.nara.jp/oshirase/first-anniversary.html #図書館劇場第4幕(館長公開講座)申込受付中!   「藤原氏の心は大和へ」をテーマに、第4幕を開催します。詳しくは、下 記のページをご覧ください。   http://www.library.pref.nara.jp/oshirase/librarytheater.html #企画展示  □本日より、奈良テレビ放送「エントランスコンサート」展を2階メインエ ントランスホールで開催します。12日(日)まで。 #図書情報館ITサポーターズによる「パソコン水曜倶楽部」  ITサポーターズが運営する利用者交流の場です。毎月第1・第3水曜日の 13:30〜16:30、2階セミナールームで開催しています。今月は、1 日と15日に開催します。事前申込みは不要です。詳細は、   http://www.library.pref.nara.jp/newlib/supporter/wedclub.pdf  をご覧ください。 #図書展示 □図書展示「正倉院の世界」を開催します。(会場:3階ブリッジ)   本日より、秋の奈良の恒例行事、奈良国立博物館の正倉院展開催にあわせ て、当館で所蔵している正倉院関連の書籍などを展示する、図書展示『正倉院 の世界』を開催します。     明治の初めに東大寺で開催された奈良博覧会での展示出品目録(『奈良 博覽會物品目録』(明治8年))や第1回の正倉院展から昨年の第57回まで の正倉院展図録をはじめ、正倉院および所蔵宝物関連資料や論文、雑誌記事な どを展示します。 11/29(水)まで。  □図書展示「環境報告書をご存知ですか?」を開催しています。(会場:2 階情報資料スペース) 3日(金)まで。詳細は、   http://www.library.pref.nara.jp/oshirase/exhibition/index.html#CSR  をご覧ください。 #戦争体験文庫(会場:3階専門資料スペース)  本日より資料展示「戦争と教育2−学童疎開」を開催しています。  11/29(水)まで。詳細は、 http://www.library.pref.nara.jp/oshirase/exhibition/index.html#W_2006_ 04 をご覧ください。 ■情報BOX■ ○新着図書情報  月に1度更新します。下記ページをご覧ください。  http://www.library.pref.nara.jp/search/newarrival/index.html ○図書情報館では、ビジネス・行政支援の一環として、奈良県中小企業支援セ ンターとの共催により中小企業者、個人事業主の方々を対象に『IT研修』を 開催しています。次回12月は「ホームページデザイン研修」です。 内容、お申込みなど詳細は、 http://www.library.pref.nara.jp/oshirase/it-training2006.html をご覧ください。 ○ホームページのビジネス支援のページ「B−SIDE」、皆さんのビジネス や調査にお役立てください。また、ご意見、ご感想をお寄せください。   http://www.library.pref.nara.jp/reference/biz/b-side.html ○館の有料施設の予約を受付けています。詳細は、県立図書情報館ホームペー ジの有料施設利用案内のページをご覧ください。 http://www.library.pref.nara.jp/guide/index.html セミナルーム及び交流ホールについては、県・市町村共同運営による施設予約 システムからインターネットにより予約することもできます。インターネット で予約を行うには事前の利用者登録が必要です。詳しくは施設予約システムの 利用案内をご覧下さい。 https://e-kotonara.jp/contents/shisetu/reserve_ref/index.htm ■これも図書情報館(15)■ ふるさとコーナーの資料から−正倉院展目録−  奈良の秋の恒例行事になっている奈良国立博物館の正倉院展は今年で58回 目を迎えます。  第2次大戦中、奈良帝室博物館に正倉院の宝物のほぼ半数を疎開させていた 関係から、戦後の昭和21年にそれらの一部を展示することになったのが正倉院 展の始まりだそうです。第1回が開催された当時は戦後復興の最中で、交通事 情や食料事情の悪い時期でしたが、10月21日から11月9日の開催期間中の入場 者総数が147,487人という盛況ぶりだったそうです。「終戦直後のわが国民に 、大きなよろこびと自信とを与えた。」(『正倉院展の歴史』とも記述されて いて、正倉院展の意義深さを示しています。  当館では、この正倉院展の目録を継続して受入れ、第1回(昭和21年)と第 20回(昭和42年)の目録をのぞいてすべて所蔵しています(第1回の目録は原 本は所蔵していませんが複写したものを簡易製本して所蔵しています)。  ちなみに、第1回の目録を見てみますとB6判の大きさで44ページ立てになっ ており、図版と本文で構成されていて、本文は正倉院の概説と目録・解説に分 かれています。紹介されている展示品の筆頭は「天平宝字2年6月1日献物帳」 で聖武天皇愛玩の「王義之父子の書一巻」が献納された時の献物帳「大小王真 蹟帳」があげられていて、以下32の出品宝物が紹介されています。 正倉院展の目録も時代とともに冊子のサイズや内容が充実していきます。昨年 度、平成17年(第57回)の目録はA4判で128ページのボリュームがあり、鮮明 なカラーの図版と解説、理解を助ける正倉院年表や用語解説なども付さられて います。 各回の目録を見ていただくことによって、正倉院展の歴史を垣間見ていただく ことができるのではないでしょうか。  当館では、正倉院展の開催に合わせて「正倉院の世界」というテーマで、正 倉院展と正倉院に関する資料を3階ブリッジに展示しています。正倉院展の観 覧と合わせてご利用ください。 (すずき はるお) ■図書情報館−職員独り言(15)■  10月に人事異動で図書情報館へやってまいりました。県庁勤め一筋の司書 でも学芸員でもない全く素人の一事務職員です。周りの環境がいいこと(桜の 季節が楽しみ!)、建物が美しいこと(夜景は特に)、多くの利用者で賑わっ ていること(学生さんの自習は禁止なんだけど)、多様な設備(名前が覚えら れない!)が整っていること、などが赴任しての第一印象です。  今はまだ館の「いろは」から勉強中ですが、当館は通常の図書館とは一線を 画す「図書情報館」であることが最大の売りです。デジタルスタジオやオーサ リングルーム、LLルーム、アトリエなど、どんなことができるのか名前だけ では分からない機能も備えています。  当メルマガの愛読者の皆さんはすでに当館の良さを充分にご理解いただいて いるものと思いますが、「図書情報館に行くとこんなことができるよ」とか「 図書情報館のおかげでこんなことがわかったよ」とかそういう口コミPRをお 知り合いの皆さんにも是非広げていって欲しいなあと思っています。今のとこ ろ利用は順調で、当初の予想を上回り、当メルマガが配信される頃にはたぶん 50万人目のお客様をお迎えしていることだろうと予測しています。  私は館の裏方であり、カウンターで皆様と直接顔を合わせることはありませ んが、当館の利用を通じて、新たなアイデアの発見や知的価値の創造に役立っ た、ビジネスチャンスが拡大したと言われるように、ひいては当館が奈良から の情報発信の拠点になることを切望しています。  今後さらに当館ならではの諸機能を生かした利活用が拡大し、名実ともに情 報館としての役割を果たしていけるよう、微力ながら裏方から支えていきたい と思っています。     (ふなうち ひろゆき) ■連載「図書情報の文化史」素描編■ 第33回 『万葉集』の周辺(その8)      館長 千 田  稔 『万葉集』が発信している情報の中から、古代史に関するメッセージを読み取 る作業は、容易なように見えるが、必ずしもそうではない。以前からそのよう な読み方は、多くの史家たちがやってきたが、私は岸俊男の鋭い指摘の数々が 、今も鮮明に記憶に残っている。  そのうちの一つとして、『万葉集』の巻1−1に、伝承歌があるが、なぜ雄 略天皇の御製とみなしてまでこの歌を配置したかという岸俊男の解釈に、私は 納得した。それは、こういうことである。まず、使用された暦が雄略朝の頃か ら「元嘉暦(げんかれき)」であったこと、中国の史書『宋書』は倭の五人の 王について触れていますが、最後の「倭王武」は雄略のことと見られ、中国に 奉った倭王武の上表文が載せられていて、その名が中国に知られるほどの存在 であったこと、古墳の内容から見て、5世紀末の雄略朝が前期古墳から後期古 墳への変換期にあたることなどの諸点から、雄略天皇の時代は、古代の大きな 画期である。だからこそ、『万葉集』の編者は雄略御製とまでみなした。おそ らく初瀬川あたりをよんだ伝承歌を巻首に置いたというのが岸説の骨子である 。 (つづく) ♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪ 【 県庁各課等のメールマガジン 】 ◇ 読者登録をお願いします!◇ ♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪ 読者登録はこちらから! http://www.pref.nara.jp/c_etc/mailmag.html  ★「大仏さんのつぶより情報」 (広報広聴課) ★「まほろば*地域づくり情報」(交流政策課)  ★「ボランティア情報誌Vio」(県民生活課)  ★「健康21ファンクラブ通信」(健康増進課)  ★「情報発見メルマガ編」   (中小企業支援センター)  ★「E−夢 はっしん!」  (教育委員会)  ★「代官山で愛ましょう!」  (奈良県代官山iスタジオ)  ★「ならの農業と園芸」    (県農業総合センター)  ★「子育てメールなら」    (県子育て家庭サポートセンター)  ★「メルマガ・スマイル」   (県母子・スマイルセンター) ■編集後記■   昨年の開館からの入館者数が50万人を突破する見込みです。また、明後 日3日に、図書情報館は開館1周年を迎えます。この1年、いろいろなことが ありましたが、振り返るよりも、さらなる前進で、図書情報館としての独自の 存在感を感じていただけるよう努力したいと考えています。 さて、県立図書情報館メールマガジン「Lib Info NARA−奈良県立 図書情報館通信」第33号をご覧いただき、ありがとうございました。 次回第34号は、11月15日(水)に配信する予定です。皆様、ご愛読、よ ろしくお願いいたします。 =================================== ◎このメールマガジンへのご感想、ご意見などは、下記メールアドレスまでお 願いします。 *原則として、返信はいたしませんので、あらかじめご了承ください。 ◎このメールマガジンは、「まぐまぐ」を利用して発行しています。  http://www.mag2.com/ 「新着情報版」「ウィークリーまぐまぐ」の配信  が不要な場合は、こちらで解除できます。 http://www.mag2.com/wmag/ ◎ご覧になるコンピュータの環境によって、文字がずれて表示される場合の  対処については、こちらへ。 http://www.mag2.com/help/r107.html 当マガジンの解除は、こちらへ。 http://www.library.pref.nara.jp/netservice/mailmagazine.html =================================== ■□===========================■□ 発行:奈良県立図書情報館 〒630-8135 奈良市大安寺西1丁目1000番地 TEL 0742-34-2111(代表) FAX 0742-34-2777 http://www.library.pref.nara.jp e-mail info@library.pref.nara.jp ■□===========================■□