≫奈良県立図書情報館メールマガジン≪ ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 「Lib Info NARA −奈良県立図書情報館通信」 H18.3.1 No.017 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ ■==■目 次■==■ 巻頭言 図書情報館の今 おすすめ情報 図書情報館あれこれ 図書情報館 こんな使い方 連載「図書情報の文化史」 編集後記 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 【巻頭言】  言葉探しの春三月            館 長  千 田  稔 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  三月は、むずかしい時節です。たまたま首尾よく志望の学校に合格できた人 は、問題はないといってよいのでしょうが、うまく事がはこばす、受験も、職 探しもかなわなかった人、あるいは、愛しい異性と別れなければならなかった 人にとっては、春の陽気なんて、ただうらめしいものです。  来年か、二、三年後に苦笑いしながら、かつての辛くて、悲しい日を振り返 ることができるといっても、とても信じられないと思います。ままならぬ人生 に、憤りをおぼえてあたりまえですが、だからといって気持ちがおさまりはし ません。  図書館で、あるいは書店で自分を救ってくれそうな書物を探そうとする人も います。最近はやりの、「困ったときのあなたを救う哲学書案内」といったよ うなガイド本を手にとって、その哲学書にあたってとしても、内容が難解で「 人生は難解だ」といってさらに、苦悩が増すことだってあります。  自分が直面する問題をすぐに解決してくれそうな本に出会うというのは、そ んなに簡単にいくものではありません。人によっては相性のよい哲学書に接す るチャンスに恵まれる場合もあるでしょう。そんなにうまくいかないならば、 どうすればよいのでしょうか。  私にも有効な処方箋がありませんが、とにもかくにも、あらゆるジャンルの 本を読み漁るしかないと思います。ここで重要なのは「あらゆるジャンル」と いう点にあります。他人がみれば顰蹙(ひんしゅく)するようなものも含みま す。そのようにしながら、きらっと自分に光を投げかけている珠玉の言葉を探 し出すというのも一つの方法ではないでしょうか。  思うようになになかった春三月。本を読みまくるということが、とにもかく にも時間だけは比較的自由になる者の特権だと思います。そしてこんな言葉に 目をとめたとき、「珠玉の言葉」を探すために、本を読むと私がいった直後で すから、あなたは、裏切られたと思いますか、それとも人生万歳と叫びますか 。 「胸の内のおもいを口に出してしまうと、そこに微妙な変化が起こる。 かえって双方の真実が、つたわらなくなってしまうこともある。 言葉というものは、便利なようでいて、不便なものでもあるのだ」(池波正太 郎『真田太平記 十二』) ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 【図書情報館の今】 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  このコーナーでは、図書情報館でのイベントの様子やその他のトッピクスを お知らせします。 3月18日(土)に「働くことを考える−職業生活をデザインする」をテーマ に、開館記念トークセッションを開催します。起業がもてはやされる一方でニ ートやフリーターなど、職業環境が大きく変化しています。「職業って何?」 「仕事って何?」といった素朴な疑問を対談とフリートークで考えてみません か。今、参加者を募集しています。詳しくは、下記をご覧ください。  http://www.library.pref.nara.jp/oshirase/openning.html#TALK   トークセッションにあわせ、2階情報資料スペースで「働く」ことを考え る100冊をテーマに図書展示を行っています。ぜひご覧ください。(3月2 5日(土)まで) ○3階ブリッジでは、「お水取りをよむ」展を開催中です。詳しくは、 http: //www.library.pref.nara.jp/oshirase/exhibition/index.html をご覧ください。 2階メインエントランスホールでは、2月21日(火)より、県文化財保存課 ・文化財保存事務所と共催で、「修復の軌跡」展を開催しています。修復前と 修復後の写真や唐招提寺金堂の解体修理の様子、また、修理に合わせて付け替 えられる鴟尾(しび)の実物も展示されています。この展示にあわせて、3階 ふるさとコーナーでは「法隆寺昭和大修理」、「修復の軌跡−修理報告書を中 心に」をテーマにミニ展示を行っています。    http://www.library.pref.nara.jp/oshirase/openning.html#RESTORATI ON 奈良県子ども読書活動推進講座が開催されます。内容、参加申込みなど詳細は 、下記をご覧ください。   http://www.pref.nara.jp/syogaig/dokusyo/koza17.pdf ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 【おすすめ情報】 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 図書情報館が編集する新しい情報誌『ナラヲヨム』第2号を掲載しています。  http://www.library.pref.nara.jp/publication/narawoyomu/index.html ◎ホームページに、ビジネス支援のページ「B−SIDE」が加わりました。 皆さんのビジネスや調査にお役立てください。また、ご意見、ご感想をお寄せ ください。   http://www.library.pref.nara.jp/reference/biz/b-side.html 館の有料施設の予約を受付けています。詳細は、県立図書情報館ホームページ の有料施設利用案内のページをご覧ください。 http://www.library.pref.nara.jp/guide/index.html セミナルーム及び交流ホールについては、県・市町村共同運営による施設予約 システムからインターネットにより予約することもできます。インターネット で予約を行うには事前の利用者登録が必要です。詳しくは施設予約システムの 利用案内をご覧下さい。 https://e-kotonara.jp/contents/shisetu/reserve_ref/index.htm ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 【図書情報館あれこれ(17)】       −ふるさとコーナーの資料から−学校史− ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  図書情報館では県内の学校の校史を収集し「ふるさとコーナー」に配架して います。点数は全体で約260点程あり内訳は小学校が60点、中学校が22 点、高等学校が141点、大学・短期大学・専門学校が28点、養護学校・ろ う学校・盲学校が12点、その他となっています。  リストを眺めてみますといろいろ興味深い点が見えてきます。まず小学校の 校史では百周年記念として出されているものが多く、刊行された年も1973 年(昭和48年)から1978年(昭和53年)頃にかけて集中して出されて います。これは1872年(明治5年)8月に学制が制定され日本の近代教育 が始まり、初期の教育制度が初等教育に重点をおいていたことにより、県内に も多くの小学校が設置されたことによるものでしょうか。  中学校では50周年記念の記念誌として1996年(平成8年)から199 8年(平成10年)の間に刊行されたものが多数みられます、これも戦後の学 制改革により学校制度の改編が行われ新制中学校がスタートしたことによるも のと思われます。高等学校、大学、養護学校などにおいてもそれぞれの特徴が 出ています。  タイトルもさまざまなネーミングが付けられています。「○○年史(年誌) 」、「創立○○年記念誌」といったタイトルから「あゆみ(歩み)」、「回想 」・「回顧」などがあり「継承と創造」、「年輪」、「古希」といったちょっ とユニークなタイトルまで校名とともに掲げられています。  丁寧に編集された校史は近現代の教育史をはじめ地域社会や県内外の出来事 をとらえた年表などを収録していて、本編とともに貴重な地域資料のひとつに なっています。 ※「奈良県立図書情報館 On the Web」もご覧ください。 http://www.library.pref.nara.jp/newlib/index.html ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 【図書情報館こんな使い方(17)】 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  現代は、自己表現の手段に事欠かない時代です。自分を表現するメディアは そこここにあります。では、なぜ人はメディアを通して自己を表現したいと考 えるのでしょうか。日記は書きはじめた時点で、他人が読むことを前提として 書かれる、という人もいます。動機はいろいろでしょうが、自己の情報を他の 人たちと共有したいということが大きいような気がします。共有が交流を生み 、さらに大きな共有の広がりが生まれるのではないでしょうか。  図書情報館では、デジタル・スタジオ、オーサリングルーム、アトリエをは じめとした情報編集、創造、発信関連施設・機器をそろえています。個々人が もつ情報が編集され、発信されることにより、新たな情報が付加され、さらに 共有の大きな広がりが生まれます。インターネットをはじめとした身近で多様 なメディアがそれを支えます。サポート体制も徐々にではありますが充実させ るよう努力しています。アトリエの後方に「ヘルプデスク」を設置しました。 情報サポーターの皆さんが待機していますので、お気軽にご相談ください。み んなで想いをかたちにする、図書情報館はそんな舞台でもありたいと考えてい ます。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 【連載「図書情報の文化史」(17)素描編】 第17回 図書情報としての『古事記』と『日本書紀』(その3)                 館長 千 田  稔 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 『万葉集』には仁徳天皇の時代の歌としているが、実際には、『古事記』允恭 天皇段にこの歌が載せられている。だから、『万葉集』の時代設定が『古事記 』と合致しないことが、われわれの知っている『古事記』の成立に疑問を差し 挟むことにもなった。さらには、前回の歌(「君が行き日(け)長くなりぬ山 たづの迎へを往かむ待ちには待たじ」という歌)について、『古事記』と『万 葉集』の表記法が異なるなどといった点から『古事記』偽書説へと発展してい った。しかし、そのことは、『古事記』を『万葉集』が引用する時の、要約な どの手法に関わる問題に過ぎず、今日の通説では、偽書説は否定されている。 先にあげた歌と同じよみの歌が、『古事記』允恭段にある。その歌の大意は次 の通りである。あなたが旅に出られて、月日がたちました。お迎えに行きまし ょう。もうお待ちはしません。「山たづ」はニワトコかネズミモチの木とされ 、葉が対生しているので、「迎へ」の枕詞とする。 (参考 西宮一民『古事記』新潮社、1979年)(続く) ******************************************************************* 【 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