≫奈良県立図書情報館メールマガジン≪ ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 「Lib Info NARA −奈良県立図書情報館通信」 H18.2.1 No.015 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ ■==■目 次■==■ 巻頭言 図書情報館の今 おすすめ情報 図書情報館あれこれ 図書情報館 こんな使い方 連載「図書情報の文化史」 編集後記 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 【巻頭言】  元宵節と宋版             司書監 富山 久代 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 今年の2月12日は旧暦1月15日に当たる。1月15日は元宵節にあたり、古来中国 では、この日様々に飾りつけた華麗な灯籠をともして祝う風習がある。中国北 宋末の帝都開封を北宋滅亡後に回顧した「東京夢華録」(とうけいむかろく) の中で、著者孟元老は、元宵節の賑わいを、灯籠の細部や芸人の名前まで挙げ ながら詳細に描き出している。孟元老についてはほとんど知られていないが、 すでに異邦の地となった都の華やかな日々を、思い出の中で繰り返し蘇らせた のであろう、蘇らせるたびに、開封の街への愛惜が深くなっていったのであろ う。毎日の行事、芸人の名前、料理の名称、店の屋号、細々とした名称を列記 する「東京夢華録」を読むと、都市の持つ魅力と都市に魅せられる人間の心の ありようが読む者の身にも浸みとおってくる。 都市文化が花開いたこの北宋という時代は、軍事的には中国史上最弱、といわ れるぐらいだが、技術・文化の面では非常に豊かな時代であった。中国におけ る印刷出版業が本格的に始まったのも、この時代でもある。「東京夢華録」に も、書籍を商う店のことがでてくるが、唐代から始まったといわれる木版印刷 (整版、という)が本格的に行われるようになり、文人の文集、医学書、仏教 書、史書、様々な書物が印刷され、販売された。相当数の書物が出版されたの であろうが、宋版、特に北宋版と呼ばれるこの時代の書物のうち、現存するも のはきわめて少ない。数年前天理大学附属天理図書館で館蔵の宋版を展示され たことがあった。どの書物も内容も装丁、版刻もきわめて美麗な高級なもので あったが、さて、孟元老がみた古の開封の書物店で売られていた書物にはどん なものがあったのだろう。市井の人々が手に取るような書物もきっとあったの であろう。そういうものがどこからか出現しないものか、夢にみる。 参考:「東京夢華録」(東洋文庫598)平凡社 080-6-598 開架    「宋元版 中国の出版ルネッサンス」天理大学出版部 027.8-29-114 ふるさと ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 【図書情報館の今】 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  このコーナーでは、図書情報館でのイベントの様子やその他のトッピクスを お知らせします。 ○平成18年1月17日、奈良県立図書情報館の利用者が10万人を越えました 。   http://www.library.pref.nara.jp/oshirase/visitor060117.html ○開館記念情報ワークショップ    開館記念情報ワークショップは2月4日が最終回。今回のテーマは、「 奈良の近代建築マップを作ろう」です。情報収集から、編集、マップ製作まで 、講義と実習が行われました。期間中に制作されたマップは、ホームページに も掲載します。お楽しみに。 ○館企画展示「お水取りをよむ」展   3階ブリッジでは、「お水取りをよむ」展を開催中です。詳しくは、 htt p://www.library.pref.nara.jp/oshirase/exhibition/index.html をご覧くだ さい。 ○ホームページに、ビジネス支援のページ「B−SIDE」が加わりました。 皆さんのビジネスや調査にお役立てください。また、ご意見、ご感想をお寄せ ください。   http://www.library.pref.nara.jp/reference/biz/b-side.html ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 【おすすめ情報】 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ ◎−新印刷技法・ミストグラフによる−『風と競う・海からの愛』写真展の開 催について   http://www.library.pref.nara.jp/oshirase/openning.html#EXHIBITION 図書情報館が編集する新しい情報誌『ナラヲヨム』を掲載しています。   http://www.library.pref.nara.jp/publication/narawoyomu/index.html 館の有料施設の予約を受付けています。詳細は、県立図書情報館ホームページ の有料施設利用案内のページをご覧ください。 http://www.library.pref.nara.jp/guide/index.html ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 【図書情報館あれこれ(15)】    図書情報館の図書や雑誌をお近くの図書館等で・・・ ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  お近くの図書館で、図書情報館の図書や雑誌を借りていただけるサービスが あることをご存知ですか? 今までは、図書情報館の本が読みたいけれど、遠いから無理だと思っていた方 、ふだん、開館時間中に利用できない方などに利用していただきたいサービス があります。  図書情報館では、県内の最寄りの市町村立図書館等を窓口にして、当館の図 書や雑誌を利用していただくために、毎週1回県内44市町村に宅配便にて発 送しています。他府県の場合も、最寄りの図書館を通して借りていただけます 。その際の送料は、ご負担いただきます。どうぞご利用ください。 ただし、一部貸出が出来ないものがありますので、ご利用の際は、最寄りの図 書館等へお問い合わせください。 ※「奈良県立図書情報館 On the Web」もご覧ください。 http://www.library.pref.nara.jp/newlib/index.html ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 【図書情報館こんな使い方(15)】  −雑誌文献をとりよせる− ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 仕事や調査で雑誌文献が必要になったとき、どのような方法で入手されますか 。図書情報館ではお探しの文献を全国の公共図書館、大学図書館のネットワー クをとおしてとりよせることができます。 雑誌文献をとりよせるには、依頼する文献の正確な書誌事項(文献のデータ) が必要です。求める文献が掲載されている雑誌名、論文名、著者名、巻号、発 行年、掲載されているページ等をご確認ください。このデータが正確でない場 合、目指す文献が見つからず、スムーズに入手できないことがあります。また 引用や参考文献などで雑誌名が略誌名になっているものについても、正式な雑 誌名に直しておくことが必要です(判例タイムス=判タなど)。書誌事項がわ からないときや、文献が特定できない場合は、国会図書館ホームページ蔵書検 索システムの「雑誌記事索引の検索」や、図書情報館のオンラインデータベー ス「MAGAZINEPLUS」(マガジンプラス)で調べることもできます。検索方法が わからない場合はカウンターでおたずねください。 お申込みいただいた文献について、図書情報館では近隣の公共図書館、大学図 書館をはじめ、国会図書館などの所蔵館を検索してオンラインやFAXで複写を 依頼します。ご自分で所蔵館をお調べになる場合は、NACSIS webcatや各図書 館ホームページで検索するのが便利です。刊行年の古い雑誌であれば「学術雑 誌総合目録 和文編」(学術情報センター編 丸善刊)「学術雑誌総合目録  欧文編」(同)、「国立国会図書館所蔵国内逐次刊行物目録」(国立国会図書 館 編刊)など各種の冊子目録を利用することもできます。 所蔵館へ依頼した複写文献は通常、3、4日から1週間程度で当館に届きます。 複写料金、送料などの所要経費を指定された方法でお支払いいただきましたら 、入手完了です。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 【連載「図書情報の文化史」(15)素描編】 第15回 図書情報としての『古事記』と『日本書紀』(その1)                 館長 千 田  稔 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ わが国最初の史書である『古事記』と最初の国史である『日本書紀』の成立に ついては先行研究が少なくないが、いずれも奈良時代の初頭に完成したことか らいえば、奈良県立図書情報館は、この書籍について、より多くの関心をもつ べきであろう。『古事記』の成立は和銅5年(712)に、『日本書紀』は養 老4年(720)に完成した。  まずは、『古事記』からとり上げてみたい。日本最初の史書であるにもかか わらず、主として奈良時代のことを記録した『続日本紀』には、『古事記』完 成の記事はない。太安安万侶によって書かれた『古事記』序文の末尾に記され た日付によって知ることができる。成立の経緯について詳細に記すのは、本稿 の趣旨ではないが、要約すれば、天武天皇の命を受けた、稗田阿礼が誦習した 「帝紀(ていき)」と「旧辞(きゅうじ)」を元明天皇の命で太安万侶が撰録 して献上したものである。「帝紀」とは、天皇の系譜について書かれた資料、 「旧辞」とは、神話・伝説・歌謡物語に関する資料。ここでは、『古事記』の 成立事情や内容を論じるつもりはない。『古事記』(そして『日本書紀』につ いても)を図書情報として、どのように読まれたかという舞台にのせることで ある。 ******************************************************************* 【 県庁各課等のメールマガジン 】 ◇ 読者登録をお願いします!◇ ******************************************************************* 読者登録はこちらから! http://www.pref.nara.jp/c_etc/mailmag.html  ★「大仏さんのつぶより情報」 (広報広聴課) ★「まほろば*地域づくり情報」(地域政策課)  ★「ボランティア情報誌Vio」(県民生活課)  ★「健康21ファンクラブ通信」(健康増進課)  ★「E−夢 はっしん!」  (教育委員会)  ★「代官山で愛ましょう!」  (奈良県代官山iスタジオ)  ★「ならの農業と園芸」    (県森林技術センター)  ★「子育てメールなら」    (県子育て家庭サポートセンター) ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 【編集後記】 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 寒い日が続きますが、風邪などひいておられないでしょうか。節分が終わると 、奈良ではそろそろ「お水取り」が話題にのぼりはじめます。春を呼ぶ、とい われるとおり、お水取りが終わると、なんとなく季節も春へと向い始めるよう な気になるものです。 さて、県立図書情報館メールマガジン「Lib Info NARA−奈良県立 図書情報館通信」第15号をご覧いただき、ありがとうございました。 次回第16号は、2月15日(水)に配信する予定です。皆様、ご愛読、よろ しくお願いいたします。 =================================== ◎このメールマガジンへのご感想、ご意見などは、下記メールアドレスまでお 願いします。 *原則として、返信はいたしませんので、あらかじめご了承ください。 ◎このメールマガジンは、「まぐまぐ」を利用して発行しています。  http://www.mag2.com/ 「新着情報版」「ウィークリーまぐまぐ」の配信  が不要な場合は、こちらで解除できます。 http://www.mag2.com/wmag/ ◎ご覧になるコンピュータの環境によって、文字がずれて表示される場合の  対処については、こちらへ。 http://www.mag2.com/help/r107.html 当マガジンの解除は、こちらへ。 http://www.library.pref.nara.jp/netservice/mailmagazine.html =================================== ■□===========================■□ 発行:奈良県立図書情報館 〒630-8135 奈良市大安寺西1丁目1000番地 TEL 0742-34-2111(代表) FAX 0742-34-2777 http://www.library.pref.nara.jp e-mail info@library.pref.nara.jp ■□===========================■□