≫奈良県立図書情報館メールマガジン≪ ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 「Lib Info NARA −奈良県立図書情報館通信」 H18.1.15 No.014 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ ■==■目 次■==■ 巻頭言 図書情報館の今 おすすめ情報 図書情報館あれこれ 図書情報館 こんな使い方 連載「図書情報の文化史」 編集後記 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 【巻頭言】                     副館長 田中 敏彦 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 新年おめでとうございます。 とは言うものの、松の内も開け、2006年も既に半月が過ぎました。慌しく 過ぎた2005年、私にとってもかなり印象に残る一年だったように思います 。2005年11月3日開館以来まずまず順調に来館者を迎えています。第2 号にも触れたとおり、図書館にほとんどの縁のない私がそれなりに過ごせたの は、来館者の、皆様方の暖かいまなざしはいうまでもなく、司書のたゆまない 努力の結果だと感謝しています。 さて、松の内というのは何故松の内というのでしょうか?百科事典などを開く と、「正月に家の門に松や竹で作った飾りなどを飾っている期間を言う」とあ ります。それでは、その期間は?何故正月に門松を立てるのか?何故門松とい うのか?何故門松は松と竹なのか?疑問はどんどん膨らんできます。 それらの疑問は図書情報館に来れば、すべて解決!インターネットを駆使する もよし、豊富な資料から検索するもよし、万一どのように調べたらいいのかわ からないとき、レファレンス窓口で専門の司書に聞くもよし。 え!窓口でそんなことも教えてくれるの? そうなんです!司書の仕事の大きな役割のひとつはそのレファレンスなのです 。図書情報館のホームページを開いてみてください。数年間で相談のあったレ ファレンスの主な内容が示されています。 門松への疑問や、ゲーム理論でノーベル賞を受賞した人は?など一般的な疑問 から、奈良漬について詳しく書かれている文献は?など奈良に関する疑問まで 、非常に広範囲な質問が寄せらます。一つ一つ、お答えをしています。質問者 は一件ですが、回答者はいくつもの質問に答えなければなりません。そのため には館内の資料の把握はもちろん、質問意見に答えるための研究が必要になる のです。 司書の皆さんは、来館者のみなさまに出来るだけ満足していただくため、さし ずめ、池を優雅に泳ぐ水鳥の足の如く、水面下を駆けずり回っています。いろ いろご不満もあろうかと思いますが、暖かい目で見守ってください。時には叱 咤激励もお願いします。 今年一年、職員一丸となって頑張りますので、よろしくお願いします。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 【図書情報館の今】 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  このコーナーでは、図書情報館でのイベントの様子やその他のトッピクスを お知らせします。 ○「簡単パソコン教室」開講    昨年12月17日(土)、24日(土)に「簡単パソコン教室」を行いまし た。パソコンの基本的な使い方から、 図書情報館に設置されているパソコン の利用法・蔵書の検索・印刷の仕方の実習を行い、計43名の受講がありまし た。初心者の方も積極的に講習を受けておられ、 今までよりパソコンを身近 に感じていただいたようです。好評につき、続編を企画中です。随時ホームペ ージ、館内掲示等でご案内します。 ○開館記念情報ワークショップ    昨年11月より、開館記念情報ワークショップを実施しています。今回 のテーマは、「奈良の近代建築マップを作ろう」です。情報収集から、編集、 マップ製作まで、講義と実習が行われています。イラストレーターやフォトシ ョップなどのアプリケーションソフトの使い方講座も組み込み、受講している 方々も奮闘中です。出来上がったマップは、新しい奈良の情報ツールのひとつ になるものと期待されます。 ○新春企画展示「図書情報館で読む−美味し、酒」展   3階ブリッジでは、新春企画として、「図書情報館で読む−美味し、酒」 展を開催中です。詳しくは、 http://www.library.pref.nara.jp/oshirase/ex hibition/index.html をご覧ください。 ○ホームページに、ビジネス支援のページ「B−SIDE」が加わりました。 皆さんのビジネスや調査にお役立てください。また、ご意見、ご感想をお寄せ ください。   http://www.library.pref.nara.jp/reference/biz/b-side.html ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 【おすすめ情報】 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 「国際ソロプチミスト奈良-まほろば」を介してご寄贈いただいた、上村淳之 画伯が四季をモチーフに制作された「四季花鳥図」の画像を公開しています。   http://www.library.pref.nara.jp/gallery/shikikatyouzu/index.html 図書情報館が編集する新しい情報誌『ナラヲヨム』創刊号を掲載しています。   http://www.library.pref.nara.jp/publication/narawoyomu/index.html 館の有料施設の予約を受付けています。詳細は、県立図書情報館ホームページ の有料施設利用案内のページをご覧ください。 http://www.library.pref.nara.jp/guide/index.html 絵図展示ギャラリーのデジタル化資料はZOOMA(ドリームテクノロジーズ社)画 像で提供しております。高画質な画像を自由に拡大・縮小・スクロールしなが ら素早くご覧いただくことができます。Zooma の使用方法、動作環境等はドリ ームテクノロジーズ社のウェブサイトをご覧下さい。  http://www.library.pref.nara.jp/gallery/ezu/index.html ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 【図書情報館あれこれ(14)】 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  図書情報館にマンガは殆ど置いていない。しかしこのマンガ家の作品は全集 を所蔵している。『つげ義春全集』(全8巻+別巻1、筑摩書房)である。 ご存じの方も多いと思うが、つげ義春は1955年に貸本マンガ家としてデビュー した。1965年から漫画雑誌『ガロ』に寄稿し、白土三平、水木しげるら と共に黄金時代を築いた。同誌上で発表された「沼」「李さん一家」「ねじ式 」「海辺の叙景」などが著名である。つげの作品では、アウトローな人々の生 活が温かく、淡々と描かれている。中にはショッキングな場面も描かれるのだ が、皮肉はなく、やはり落ち着いた温もりが感じられる。 夏目房之介は「海辺の叙景」について次のように語っている。 人物のセリフだけで受け取るドラマはそれほど深刻なものではない。(略)と ころが吹き出しゼロの、風景が優位になった場面では暗鬱で強迫的な印象すら 受ける。(略)風景と人物ドラマのそれぞれの山場のズレや一致が、作品全体 の"面白さ"をつくっている。 つげの作品に完璧な人物は出てこない。そして彼らの思惑はしばしば覆される 。特に、無意識でも悪意があった場合には、手厳しい程、自分で蒔いた種を摘 み取らざるを得ないような展開が多い。夏目氏の指摘する「風景と人物ドラマ のズレ」も、作者はそれを通して、人物たちの存在の小ささや限界を表現して いるのではないだろうか。 『つげ義春全集』は書庫に入っているが、貸出は勿論できる。まだ読んだこと のない人は、当館でぜひ、つげワールドを味わっていただきたい。 ※「奈良県立図書情報館 On the Web」もご覧ください。 http://www.library.pref.nara.jp/newlib/index.html ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 【図書情報館こんな使い方(14)】 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ サスペンスドラマの一場面で、主人公が事件の手がかりを求めて、図書館で新 聞の縮刷版を繰っている、といったシーンをご覧になったことはありませんか ?  日々発行される新聞は、新しい情報を伝達するものとして、また過去の新聞 は、政治、経済、文化等、その当時の状況や世相を反映するものとして、調査 や研究に欠かせない記録資料といえます。その形態には、新聞原紙、毎月の新 聞をそのまま縮小して本の形にした縮刷版、原紙を縮小して撮影したマイクロ フィルム、コンパクトディスクにデータを収めたCD-ROM、またインターネット 上で見られるオンライン・データベースがあり、それぞれの特性を知ることに よって、求める記事を効率的に探し出すことができます。 縮刷版は原紙発行の約1ヶ月後に刊行されます。目次や索引がついているので 、原紙より探しやすいといえるでしょう。マイクロフィルムには他の媒体で発 行されていない地方新聞があります。日付順にロールになっているものをマイ クロフィルムリーダーで見ていくため、いつ頃の記事か、あらかじめわかって いないと時間がかかります。CD-ROMはキーワードで検索できるので便利ですが 、イメージ版(読売)と文字情報版(朝日、毎日など)があり、文字情報版は図版 や写真、著作権をクリアしていない個人の論文等を見ることができないので注 意を要します。また、新聞記事の見出しから掲載年月日を調べることができる CD-ROMもあります。インターネット上では各社のホームページにアクセスすれ ば最新のニュースが得られます。さらに、オンラインデータベースは1980年代 から現在までの新聞記事が検索できるほか、雑誌や企業情報、人物情報等も提 供しています。 ほかに、索引では新聞社が編集している「新聞記事索引」、数種類の新聞から 主要な記事を選択、収集した「新聞集成」(いずれも図書)、また1ヶ月分の各 紙主要ニュースを収録した『月刊新聞ダイジェスト』(雑誌)等があります。 各資料とも新聞の収録期間、内容、索引の有無が異なります。ひとくちに「新 聞」といっても、このようにいろいろな媒体があり、それぞれ特徴があります ので、目的や用途に応じて使い分けてみてはいかがでしょうか。 ○当館所蔵の新聞は、ホームページの「新聞等所蔵一覧」に掲載しています。 http://www.library.pref.nara.jp/search/shinbun.html ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 【連載「図書情報の文化史」(14)素描編】 第14回 禁書に指定された書籍(その4)                 館長 千 田  稔 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 禁書という指定された書籍があるということは、当時、そのような書籍が日本 にあったとみてよい。それを私有してはならないというならば、どこかに厳重 な管理のもとに収蔵されていたにちがいない。以下に推定するように、それは 、天皇家か朝廷、あるいは陰陽寮であろう。それは秘蔵されていたというべき であろう。  なぜ、秘蔵されねばならないかというと、先にみたように、占いかそれに類 する書物で一般の目にふれると、天皇を傾ける恐れがあったからである。逆に 朝廷にとっては、禁書を活用したと想定できる。『日本書紀』によれば、天武 天皇は、天文・遁甲の能力があったと記し、壬申の乱に名張(三重県)の横川 (よかわ)で、自ら式(ちく)をとり、占って自分が天下を得ると語ったとい う。このことからも、天皇にとって、禁書は重要な書物で、外部に漏れてはな らないものであった。  なお、江戸時代にも禁書があったが、それについては、後にとりあげること にしたい。 ******************************************************************* 【 県庁各課等のメールマガジン 】 ◇ 読者登録をお願いします!◇ ******************************************************************* 読者登録はこちらから! http://www.pref.nara.jp/c_etc/mailmag.html  ★「大仏さんのつぶより情報」 (広報広聴課) ★「まほろば*地域づくり情報」(地域政策課)  ★「ボランティア情報誌Vio」(県民生活課)  ★「健康21ファンクラブ通信」(健康増進課)  ★「E−夢 はっしん!」  (教育委員会)  ★「代官山で愛ましょう!」  (奈良県代官山iスタジオ)  ★「ならの農業と園芸」    (県森林技術センター)  ★「子育てメールなら」    (県子育て家庭サポートセンター) ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 【編集後記】 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 恒例の若草山の山焼きも終わり、立春ももうそこまで。季節は人間の小さなお もいに関係なく、確実に動いていきます。 さて、県立図書情報館メールマガジン「Lib Info NARA−奈良県立 図書情報館通信」第14号をご覧いただき、ありがとうございました。 次回第15号は、2月1日(水)に配信する予定です。皆様、ご愛読、よろし くお願いいたします。 =================================== ◎このメールマガジンへのご感想、ご意見などは、下記メールアドレスまでお 願いします。 *原則として、返信はいたしませんので、あらかじめご了承ください。 ◎このメールマガジンは、「まぐまぐ」を利用して発行しています。  http://www.mag2.com/ 「新着情報版」「ウィークリーまぐまぐ」の配信  が不要な場合は、こちらで解除できます。 http://www.mag2.com/wmag/ ◎ご覧になるコンピュータの環境によって、文字がずれて表示される場合の  対処については、こちらへ。 http://www.mag2.com/help/r107.html 当マガジンの解除は、こちらへ。 http://www.library.pref.nara.jp/netservice/mailmagazine.html =================================== ■□===========================■□ 発行:奈良県立図書情報館 〒630-8135 奈良市大安寺西1丁目1000番地 TEL 0742-34-2111(代表) FAX 0742-34-2777 http://www.library.pref.nara.jp e-mail info@library.pref.nara.jp ■□===========================■□