≫奈良県立図書情報館メールマガジン≪ ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 「Lib Info NARA −奈良県立図書情報館通信」 H17.9.1 No.005 開館まで63日 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ ■==■目 次■==■ 巻頭言 おすすめ新着情報 図書情報館あれこれ 図書情報館 こんな使い方 連載「図書情報の文化史」 編集後記 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 【巻 頭 言】                 奈良県立図書情報館長 千 田  稔 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  奈良県立図書情報館の開館も間近に迫ってきました。皆様には、ご不自由を おかけしておりますが、今しばらく、時間をいただきたいと思います。  さて、今回は奈良県立図書情報館の位置を、平城京との関係から説明させて いただきたいと思います。平城京の碁盤目の区画、これを条坊制といいますが 、数詞で、左(右)京○条○坊と呼びます。図書情報館の位置は、左京五条二 坊にあたります。図書情報館の建物の西北にパネルで表示していますので、是 非ご覧ください。  この場所の北に接して、平城京の時代に、「田村第(たむらだい)」という 大邸宅の推定地があります。ここは、奈良時代の半ば政治の実権を握り、光明 皇后と実質的に政権の中枢にあった藤原仲麻呂の邸宅でした。東西に高い楼を 配置し、南門は櫓(やぐら)であったといいます。そこに、大炊王(おおいお う・天武天皇の孫)を住まわせ、ついに王は淳仁天皇となります。しかし、孝 謙上皇(聖武天皇の皇女)との間が不和となり、反乱の末、近江に敗走して、 斬殺されます。  図書情報館の東南には大安寺があります。大安寺の僧審祥(しんしょう)は 、唐あるいは新羅で華厳(けごん)を学び、金鐘寺(きんしょうじ・東大寺建 立の前にあった寺)で、華厳経の講義をし、のちの大仏造立の理論的な基礎を 築きました。このように、図書情報館の周辺は、奈良時代の一つの中枢であり ました。この地の重要さを忘れて、遷都1300年の事業を展開することは、 ありえないことだと私は考えています。来館下さる方々にも、平城京と図書情 報館との関係に思いをはせていただければと考えています。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 【おすすめ新着情報】 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 県立図書情報館の開館に先立ち、館の有料施設の予約を受付けています。   詳細は、県立図書情報館ホームページの有料施設利用案内のページをご覧 ください。 http://www.library.pref.nara.jp/guide/index.html 日々雇用職員(アルバイト)を募集しています。詳細は、県立図書情報館ホー ムページの日々雇用募集のページをご覧ください。   http://www.library.pref.nara.jp/oshirase/help_wanted_ad.html 開館に先立ち、県民の皆様対象の内覧会および館の一般開放を行います。詳細 は、県立図書情報館ホームページの内覧会参加者募集のページおよび県立図書 情報館事前一般開放のページをご覧ください。 http://www.library.pref.nara.jp/oshirase/preview.html ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 【図書情報館あれこれ(5)】 −ふるさとコーナーについて ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 県立図書館の役割の一つとして奈良県に関わる地域資料を網羅的に収集し、提 供することがあげられます。図書情報館ではその役割を踏まえ閲覧スペース上 で表現するために、3階西側部分の専門資料スペースの一角に「ふるさとコー ナー」として開設します。 このコーナーには約5万冊の資料を配架することが可能で、オープン時には約 4万冊強の図書や雑誌、新聞のスクラップなどを配架する予定です。資料は前 身の県立図書館2館(奈良・橿原)が継続して収集してきた奈良県に関係する 資料をベースに、新たに購入した新刊図書や県内各自治体、団体、個人が発行 した刊行物、また歴史的・資料的に価値がある古書などを加えて構成されてい ます。 配架の方法は、一般的な地域資料は主題ごとにNDC(日本十進分類法)で分 類した図書や雑誌をコーナーの西側に並べ、東側には県政資料を「総合行政」 、「財政」、「教育」などといった件名ごとにまとめて配列し、市町村関係の 資料については市・郡単位で配列します。また本県の特色でもある古代を中心 とする古墳や建造物、工芸・美術などの文化財に関する調査報告書や修理報告 書もまとめて配架します。これにより所蔵する資料をより体系的にまとまりの ある資料群として書架上に配架し、利用者の方々が利用しやすく、資料要求や 質問に対しても的確に応えていくことを目指します。 なお、古文書や公文書は、資料の劣化を防ぐため各々貴重書庫や自動化書庫に 配置し、資料の保存をはかりながら利用していただくことになります。 以下に、「ふるさとコーナー」の主な資料を紹介します。 □県政資料(長期ビジョン、総合計画)、統計、業務報告 □議会資料 □奈良県史、県内市町村史 □市町村の統計書、広報・公報、要覧 □県庁行政文書 □文化財・発掘調査・修理報告書 □寺院・神社関係資料(史料) □地理、地誌、紀行、史蹟名勝、ガイドブック、地図 □民俗、民話、伝説、伝記 □自然、動植物、天然記念物 □特収資料:今西文庫、藤田文庫、奈良県風俗誌 ほかすばらしいアイデアが 誕生するには、ほんの一瞬のひらめきと、何時間にも及ぶ労力とを伴います。 しかし、ひらめきと努力とだけでは、どんなにすばらしいアイデアでもそれを かたちにすることはできません。思いをかたちにして、はっきりと、正確に、 ひとに伝えるためには、それを具体的に表現できるツールが必要です。 ※「奈良県立図書情報館 On the Web」もご覧ください。 http://www.library.pref.nara.jp/newlib/index.html ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 【図書情報館こんな使い方(5)】 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  これまでの図書館は、ひとりで本を読み、調べるところ、というイメージが 強かったのではないでしょうか。図書情報館では、ひとりで、はもちろんのこ と、グループ研修室を設け、グループでの調査研究などにもお使いいただくこ とができます。ディスカッションをしながら、あるいは持ち込んだパソコンを 使ってのネット検索や図書などの資料など、さまざまなツールを使いながら、 効率的に活動することができます。また、アトリエなどの情報編集施設を使え ば、活動成果を発信することも可能です。新しい活動拠点として、皆様のご利 用をお待ちしております。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 【連載「図書情報の文化史」(5)素描編】 まずは「芸亭(うんてい)」から(その5)   館長 千 田  稔 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 一条高校の東側の「芸亭(うんてい)」顕彰の標柱には「芸亭伝承地」と記さ れていて、その右側に「芸亭(うんてい)」についての説明板も建てられてい る。それは、「昭和四十六年十月二十八日奈良県図書館協会」によるものであ るとも書かれている。  やや、時代がさかのぼるのだが、昭和5年に「石上朝臣宅嗣卿顕彰碑」が天 理大学付属図書館の前に建てられた。これは日本図書館協会、近畿図書館協会 などからなった石上宅嗣顕彰会によるもので、碑文は、当時の京都帝国大学図 書館長であった、新村出氏によるもので、書は奈良の有名な書家辻本史邑(し ゆう)氏の筆になる。  新村出氏は『広辞苑』の編者であることはよく知られているが、氏の論考に 「芸亭院と賀陽豊年」(『典籍叢談』所収)がある。先に、奈良時代の史料と しては『続日本紀』に「芸亭(うんてい)」とでるのが唯一と書いたが、平安 時代のことになるが、六国史の『日本後紀』弘仁六年(815)六月二十七日 条に、賀陽豊年(かやのとよとし)が、石上宅嗣から礼を厚くして「芸亭(う んてい)院」に招かれとある。そこで彼は群書を博究して、その文才の偉大で あったことを、彼の死去に際し、卒伝として記述している。賀陽豊年について は多くのことを書かねばならないが、ひとまず「芸亭(うんてい)」について は、ここで閉じることにしたい。 (実は、ここまで書き終わった時に、読者から「うんてい」の「うん」という 漢字については、特別のソフトを使えば、入力可能であるという親切なご連絡 があった。ありがとうございました。) ******************************************************************* 【 県庁各課等のメールマガジン 】 ◇ 読者登録をお願いします!◇ ******************************************************************* 読者登録はこちらから! 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