≫奈良県立図書情報館メールマガジン≪ ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 「Lib Info NARA −奈良県立図書情報館通信」 H17.7.15 No.002  開館まで111日 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ ■==■目 次■==■ 巻頭言 はじめまして 図書情報館イベント情報 図書情報館あれこれ 図書情報館 こんな使い方 連載「図書情報の文化史」 編集後記 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ はじめまして          奈良県立図書情報館副館長 田 中 敏 彦 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  はじめまして、副館長の田中です。 図書情報館副館長?図書館とはほとんど縁のない生活をしてきた私にとって、 この異動は驚きました。 図書館に対して公立の無料貸本屋さんくらいにしか思っていなかった(今は違 います念のため)私は、そんなところでいったい何をしたらいいのだろう?と 真剣に悩んでしまいました。 いつも、ほとんど人のいない静かな空間、この中で働く人たち(司書という) はいつも何をしてるのだろう?と不思議に思っていたのも事実です。しかし、 外からみているのとは大違い、中に入ってみて考えが一変してしまいました。 まず、本を選ぶことから始まります。世の中には天文学的な数の書籍及びそれ に類する資料があるのです。その中から利用者がどのようなニーズを持ってい るのか、県立図書館が担うべき役割に添うべき書籍とはどのようなものか、日 々議論されています。 そのなかで選ばれる書籍が決定していきます。しかし、その後が大変!毎日毎 日入荷される書籍類を今度は、発行者・編集者・作家・ジャンル・タイトル・ その概要等々、すべて手作業で、コンピューターに入力をしていくのです。も ちろん、書籍は日本語だけではありません。翻訳をしながら入力をしていくも のもあります。しかも、それが、仕事の一部なのだから驚きです。 書籍を選ぶ高度な見識と、地道な作業、改めて司書のすごさを実感しました。 先にも話したように、図書館に対して専門的な知識を持ち合わせていない私が 、この図書情報館で果たすべき役割は、以前の私のように図書館に対して知識 も持ち合わせていないにもかかわらず、無料貸本屋などと揶揄している不届き ものに、その魅力を知らしめることなのかな、などと考えています。今後も、 一般県民として、「外の人間が内に入ったらこんな事、あんな事もわかるんだ !」というような楽しい事柄を書いていきたいと思います。 11月にオープンする図書情報館は、その名称が示すとおり、図書や雑誌など に加え、様々な電子情報やネットワークを融合的に活用できる、いわば県民の 総合情報センターとして発進します。司書の仕事もより複雑になってきます。 皆さん方に、より快適に図書情報館を利用頂くために、みんなでがんばります ので、応援よろしく! ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 図書情報館イベント情報 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 県立図書情報館開館記念CGコンテスト作品募集   応募作品受付中!   7月1日(金)〜29日(金)郵送のみ(持込み不可)   ※締切当日消印有効   詳細は下記をご覧ください。 http://www.library.pref.nara.jp/oshirase/cg.html ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 図書情報館あれこれ(2) −図書情報館の座席 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 図書情報館では、2、3階が閲覧利用スペースとなっています。閲覧座席は4 10席あります。インターネット利用可能なパソコンが設置された座席が52 席あり、また、利用者が持ちこむパソコンで、インターネットが利用できる座 席が110席あります。もちろん、これまでどおりパソコンなどを使わず、図 書などを利用した調査研究にもお使いいただけます。また、セミナールームに は、31台のパソコンが設置されており、パソコン研修などにも利用すること ができます。さらに、2階エントランスホールにあるカフェテラスでは、無線 を使ってインターネットに接続できる無線LANサービスも提供する予定です 。グループ研修室では、少人数グループでの利用もしていただけます。目的や 利用形態に応じて、あなたらしい使い方を探してみてはいかがでしょうか。 ※「奈良県立図書情報館 On the Web」もご覧ください。 http://www.library.pref.nara.jp/newlib/index.html ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 図書情報館こんな使い方(2) −レファレンスカウンターはホテルのフロント? ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  図書館を紹介する本や雑誌、概要パンフレットなどを見ると、「レファレン ス」ということばが目につきます。この「レファレンス」ということばは、非 常に翻訳しずらいことばで、「参考調査」や「参考相談」などと訳されること がありますが、これでは何のことかわかりません。  図書館には、いうまでもなく、本や雑誌を読むこと以外に、調べ物をすると いう目的があります。本をはじめ、資料や情報を探し出す場所でもあります。 レファレンスカウンターには、職員が常駐し、さまざまな調査のお手伝いをし ます。求める本の案内から、たとえば「○○の由来は?」や「△△ということ ばの出典は?」といった具体的な質問まで、さまざまな手段を使い、調査のお 手伝いをするわけです。意外と知られていないサービスで、ある調査によれば 、図書館を利用する方の実に半数近い人が、このサービスを知らない、と回答 しています。また、近年、インターネットの普及で、検索エンジンで調べもの を済ませてしまう方も多いようです。しかし、ネット情報は、探し出すひとつ の手段ではありますが、万能ではありません。不正確な情報も多いものです。 調査の手段には、事典や目録をはじめ、膨大な蓄積があり、職員はネット情報 や他機関とのネットワークなども駆使し、情報探索のお手伝いをするわけです 。その過程で、新しい発見や新しい発想との出会いがあるかもしれません。  初めて訪れたまちのとあるホテルで一息つき、あなたはこれから食事をしよ うとしています。ガイドブックでチェックをした店に行くという方法がありま す。とはいっても、初めてでどんな店なのかはよく分かりません。自分の好み に合った店か、料理か、懐具合に見合うか、などは行ってみないと分かりませ ん。それも旅の醍醐味かもしれませんが、フロントのスタッフに好みやイメー ジを話し、紹介してもらう方法があります。良いスタッフなら、あなたの要望 に適ったピッタリの店を紹介してくれるでしょう。また、あなたのイメージを 斟酌し、心に残る出会いや新しい発見を演出してくれるかもしれません。この ようなサービスをはじめとしたホテルの紹介・案内サービスを「コンシェルジ ュ・サービス」といい、フロント横にコンシェルジュ・デスクを置くホテルも 多いようです。  図書情報館のレファレンスカウンターもかくありたいと考えています。図書 情報館ではお答えできないもの(たとえば、医療・法律相談、将来予想、懸賞 の回答など)もありますが、身近な情報探索手段として、ぜひご利用いただき たいと思います。  最後に、さっそくご案内を。情報探索の達人になるための2冊。  井上真琴『図書館に訊け!』(ちくま新書 筑摩書房 2004)  まちの図書館でしらべる編集委員会編『まちの図書館でしらべる』(柏書房  2002) ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 連載「図書情報の文化史」(2)素描編 まずは「芸亭(うんてい)」から(その2)   館長 千 田  稔 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ ワープロの出現が、図書情報を豊かにしたのか、貧しくしたのかは、議論のわ かれるところだ。それは、ともかくも、「うんてい」については、「芸亭(う んてい)」と便宜的に表記しておきたい。  平城京にあった「芸亭(うんてい)」は、おそらく、公開図書館としては、 わが国では史料によるかぎり最初の施設であった。六国史の一つ『続日本紀』 天応元年(781)6月24日の条に「芸亭(うんてい)」に関する記事があ るが、それが奈良時代の史料では唯一である。この年の月に桓武天皇が平城宮 で即位しているが、3年後には、長岡京遷都となるから、平城京時代の晩年の 頃である。『続日本紀』はおおよそ、次のように記している。  石上宅嗣(いそのかみ・やかつぐ)という大納言と式部卿(しきぶきょう) という高い位にあった人物が死去した。性格は、明朗で、品格があった。経書 (けいしょ・儒教の経典)と史書を好み、よく読んだ。文章を作ることを好み 、書に秀でた。品のよい文を作り、よくその名が知られていた。山水の風景を 愛でて、詩を書いた。天平宝宇(757−765)年間より後の時代では、8 世紀後半に文才を誇った淡海三船(おうみのみふね)とともに優れた文人と称 された。宅嗣の作った漢詩は数十首に及び、世の多くの人々は、これらを語り 伝えた。 文人で、高位の官僚であった石上宅嗣が「芸亭(うんてい)」の主であった。 『続日本紀』は、さらに続けていう。(つづく) ******************************************************************* 【 県庁各課等のメールマガジン 】 ◇ 読者登録をお願いします!◇ ******************************************************************* 読者登録はこちらから! http://www.pref.nara.jp/c_etc/mailmag.html  ★「大仏さんのつぶより情報」 (広報広聴課) ★「まほろば*地域づくり情報」(地域政策課)  ★「ボランティア情報誌Vio」(県民生活課)  ★「健康21ファンクラブ通信」(健康増進課)  ★「E−夢 はっしん!」  (教育委員会)    「なら出会いセンター通信」(なら出会いセンター)の読者登録はこちら!  http://www.naradeai.pref.nara.jp/ ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 【編集後記】 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  今年の入梅は、空梅雨を思わせるような真夏日が続きましたが、一転して梅 雨空が(ときには暴走しながら)続いています。こんな季節は、体調も崩れが ちになります。皆様、お気をつけください。 さて、県立図書情報館メールマガジン「Lib Info NARA−奈良県立 図書情報館通信」第2号をご覧いただき、ありがとうございました。開館準備 作業も順調に進んでおり、開館日が近づいて行くにしたがい、図書情報館に関 する最新情報や関連情報をより多く、お伝えしていけるのではないかと思いま す。次回第3号は、8月1日(月)に配信する予定です。皆様、ご愛読、よろ しくお願いいたします。 =================================== ◎このメールマガジンへのご感想、ご意見などは、下記メールアドレスまでお 願いします。 *原則として、返信はいたしませんので、あらかじめご了承ください。 ◎このメールマガジンは、「まぐまぐ」を利用して発行しています。  http://www.mag2.com/ 「新着情報版」「ウィークリーまぐまぐ」の配信  が不要な場合は、こちらで解除できます。 http://www.mag2.com/wmag/ ◎ご覧になるコンピュータの環境によって、文字がずれて表示される場合の  対処については、こちらへ。 http://www.mag2.com/faq/mua.htm 当マガジンの解除は、こちらへ。 http://www.library.pref.nara.jp/netservice/mailmagazine.html =================================== ■□===========================■□ 発行:奈良県立図書情報館 〒630-8135 奈良市大安寺西1丁目1000番地 TEL 0742-34-2111(代表) FAX 0742-34-2777 http://www.library.pref.nara.jp e-mail info@library.pref.nara.jp ■□===========================■□