[奈良名所独案内 全]
- 表題 : [奈良名所独案内 全]
- 作成年 : 明治12[1879]
- 編著者 : 金澤昇平
- 出版者 : 橋井善次郎(=奈良興立舎)
- 色調 : 彩色
- サイズ : 47x53cm
- 請求記号 : T-1-82
解題
橋井善次郎が、明治12年に金澤昇平の編集、饗泉堂の製版で出版した銅版彩色の奈良名所案内図。昇平は奈良県初の新聞「日新記聞」(明治5年)の発行者の一人で、「平城坊目遺考」の著者でもある。善次郎は、晒布問屋の越後屋の主人で戸長を勤め、明治23年に奈良町長になる(藤田祥光「奈良人物志」)。両名は、有志14名が同10年12月に堺県令に提出した奈良公園地の拝借願に名前を連ね、公園地の維持改良のための合議機関として興立舎を組織(『奈良公園史』)。興立舎は、名所案内人の免許鑑札を交付するかわりに奈良公園の維持や美化に当たる。以後、昇平は実質的に興立舎の専従として活躍。昇平は、跋文で、名所旧跡の道しるべのために本図を作り、「諸君此図によりて道をもとめ給ハヽ必すまよふことなかるへし、号て独案内といふ」と記す。東は春日社や大仏殿など、西は西大寺・唐招提寺・薬師寺を入れ、名所旧跡めぐりに必要な道だけを赤色で彩色する。また、一条通り添いの興福院・不退寺・法華寺のほか、平城宮趾や陵墓も記入する。右隅に「奈良興立舎発行」とあるので、興立舎には、名所案内人に対する免許料と案内料(歩合)の収入以外に、名所案内図の発行収益もあったと見られる。
(太字は当館所蔵の資料です。)