映像作家・保山耕一氏が情感豊かに綴る珠玉の映像詩『奈良、時の雫(しずく)』からセレクトした作品を月替わりで常設上映します。
お披露目となる5月の映像は「春日大社」。
春日大社は、今から約1300年前、奈良の都の守り神として創建されました。
貴重な原始林が今なお残る神山・御蓋山(みかさやま)、平成28年 第60次式年造替により生まれ変わった社殿など、
悠久の歴史と信仰を伝える世界遺産の四季に迫ります。
(上映時間65分、リピート再生)
メッセージ
「保山耕一さんの撮影される春日大社」
春日大社 宮司 花山院 弘匡
保山さんは、自然の最も美しい瞬間を、逃さず切り撮られる心の目を持っておられます。自身も自然と一つになられ、自然に溶け込まれているのだと思います。
春日大社の自然は神様のもと、千三百年守られてきました。神山 御蓋山(三笠山)・春日山の原生林は、時には天皇陛下も御心配になられ、宮中からの御神楽がなされ、大切に守られてきました。世界でもこれだけの都市に原生林が残るのは春日の地だけです。
「春日」とは神様がお喜びになる春の日の清々しい自然の美しさであります。七百年以上前に描かれた、『春日権現験記の序』にも、「秋津洲(日本)の中 山野おほけれども 月光も三笠山にしかず 花の匂いも春日野に勝ちたるはなし この花月をもてあそび給へ」とあり、日本で最も美しい所なので神様が春日に集まられたと書いてあります。
私は美しい御蓋山を多くの方に拝して頂きたいと、飛火野へ遠望所のベンチを置きました。翌日、奇しくも保山さんがそこから奇跡のように赤々と光輝く御蓋山を拝し、涙が止まらなかったといわれました。保山さんの作品が心を引きつけるわけがここにあります。
保山さん、お手伝いの皆様、感謝を申し上げます。何よりもお体をおいたわり下さい。